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白 銀 の 戦 慄
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[銀魂]河原
銀魂のSSを書くための「お題」をくれ、と言って出されたのがこちら「河原」。 河原で思いつくイメージ、書きたいと思ったのが、親の心子知らず回のここの幕間のみでしたので、SSとして短い短文を書かせていただきました。 人気のない夜の時間。 町民の姿も見えない街はずれで、バシャリと川の中から何かが這い上がる音が響いた。 夜空の虚像を映す水面が波打ち、次いで静かに凪いでいく。 川の中から這い出た人物は、夜陰に紛れて光の当たらぬ橋の下へと体を滑り込ませた。 「……っ」 左脇腹から滲んでいる赤が白い布地をじわりじわりと広がっていく。 それに顔を歪ませたのは、全身に濡れ鼠になった男だったが、男は周囲に人の気配がないのを確かめると、水の滴る服を絞って空を見上げた。 「あーあ、これじゃ、あいつらにドヤされっちまう」 全身濡れた状態で家に戻ろうものなら、何を言われるか。 リミットは「襲名披露」が行われる時分まで、自分の生存を悟らせないこと。 それまでに、自分の存在が生きていると勘づかれると、相手は本物のヤクザ集団。二人にも迷惑をかけることになりかねな

siversou
2025年11月1日読了時間: 2分
[銀魂]二年後に再会するその時まで
万事屋にある通称“社長椅子”。 そこは、普段は万事屋の社長である坂田銀時が座る場所であり、時折神楽が座ることもあった椅子だった。 だが、新八がそこに座ることはなかった。 坂田銀時が、万事屋からいなくなる時までは。 銀時も神楽も、それぞれがそれぞれの「やるべきこと」の為に万事屋を離れていった。 残った新八は、彼らの分まで、彼らと共に守ってきたこの場所を守るためにと、この居場所に自らの意志で残ることを決めた。 しかし、一人きりになって初めて、誰もいない万事屋の“社長椅子”に座ることとなった新八は、目の前に誰もいない空間を目にし、虚しさにも似た感覚を覚えて。 「……なんだろ。ここってもっとこう、違ったものが見えると思ってたんだけどな」 なにが、とは例えようのない感覚。 二人が知っているここからの光景は、きっと万事屋が万事屋として機能していた時の光景だ。 けれど、二人が残っていれば、自分がここに腰を下ろすこともなかったろう。 そう思えばこそ、ここに座って自分が見る初めての景色は、「二人がいない万事屋」になるしかなかった。...

siversou
2025年10月27日読了時間: 2分
[銀魂]不穏な夢
久しぶりに銀魂乱舞をして、その流れで銀魂すごろくして、昔懐かしい感覚を思い出せた流れで思いついたシーンを文字に書き起こしました。 何か壮大な長編が始まりそうな書き出し。続きを書くかどうかは、この先の構想がまとまるかどうか次第。 気がついたら何もない世界に立っていた。 周りには何もなくて、どこまでも続く妙に煤けた色に見える空と、何もない大地。 「なんだ、ここ」 なんでこんなところに立っているのかも分からない。 ただ、こんなところにいつまでも突っ立っていては、どうしようもない。 とりあえず何処かへ行かなければと、何もない大地へ一歩を踏み出し、また、違和感。 何かが、おかしいと感じた。 違和感の正体が分からず、足元を見る。 「あれ」 俺の足って、こんなだっけ……? 何かが違った。 でも、その何かが違うという感覚も、すぐに溶けて消えた。 足元には、普段と何も変わらないボロボロの足履き。 どこぞの村で打ち捨てられていた、おそらく売り物にする予定だった筈の失敗作。 なにが、おかしいと思ったのか。 違和感を覚えたことすらすぐに分から

siversou
2025年10月14日読了時間: 2分
[銀魂]花見
ひたすらに闇が制する世界。 あたりは何処までも暗い世界が続き、足元に視線を落として初めて、色を目にすることとなる。 血に染まったかのように真っ赤な、花。 花火のように花弁を開いている、美しくもどこか儚げな、彼岸の象徴。 元は死人の体を守るためにと墓地に植えられていた墓守だったハズなのに、いつしか墓地に植えられている花は死のイメージを身に纏ってしまい、死の象徴とされてしまった、悲しき花。 彼岸の地を埋め尽くしている花たちは、生人(いくじん)から愛され、守ろうとされている証。 闇が制する世界で、世界を明るくしてくれているそれらに気づいた男は、片目を閉ざしたまま顔を綻ばせた。 「あの世での花見にゃ、桜じゃちと場違いだったか」 自分をおもう象徴が眼前に広がっている事実に、翡翠の瞳を細めて男は周囲を見渡して穏やかな表情を見せた。此岸に残った者たちに思いを馳せるも、彼らがこちらに来るには、まだ早すぎる。 「俺には過ぎた手向けだが、この場所であいつを待つのもいいか」 生前の時にあったあらゆる柵(しがらみ)から解放されている今、男が持っていたのは

siversou
2025年10月1日読了時間: 2分
[銀魂]お味噌汁
万事屋のお味噌汁は、日によって変わる。 新八や銀時はその時あるもので使えるものを。神楽はそもそも味噌汁を作らない。 一度銀時に教えてもらって、一人の時に作ってみたこともあるが、銀時に教えてもらった時には美味しく作れたはずなのに、何故かその時と同じ味に作れないのだ。 まぁ、原因は 「んで、このへんで味噌をこんくらい入れる」 「もっと入れてよ銀ちゃん。私塩分過多な味が濃いお味噌汁が好きアル」 「味濃いのが好きつったって、限度ってもんがあんだろ。これ以上は美味しく食えねーぞ」 「……」 「いいから家(うち)の鍋で作る時は味噌こんくらいだからな」 「分かったアル」 といったやりとりがあったものの、美味しいものはどれだけ入れても「美味しいハズ」という考えでいたため、おおよその分量すらなんとなくでしか覚えておらず、二度目に作った時には大量に味噌を入れ、味が濃すぎてとても美味しく食べれる代物ではなくしてしまい、その後リベンジで神楽がお味噌汁を作ろうとした時には、最初に銀時が言っていた分量なんか頭に欠片として残っていない、という状態になったからであった。

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2025年9月27日読了時間: 3分
[銀魂]万事屋の朝ご飯事情
神楽はカレンダーを見ていた。 カレンダーの当番割を見ていた。 三日連続で自分が担当になっている始めの日である、今日の日付を見ていた。 「んー」 「……なにやってんの? そんな見つめても、明日にワープするための次元の扉とかあかねーぞ」 「知ってるアル。今日の朝ご飯、どうするか考えてたネ」 「どーせ今日も卵かけご飯だろ? なに、ついに他の飯にチャレンジいっちゃう? 卵かけられご飯の呪縛から解き放ってくれんの?」 「イヤアル。卵かけごはんは食べるアル」 「じゃ、何を悩んでんだよ」 「銀ちゃんが卵かけごはん食べすぎて、卵かけられご飯だなんだのうるさいから、更にその上から何かをかければ、ただの卵かけられご飯が、更にばーじょんあっぷすると考えてたネ」 「ふーん。どうでもいいけど、新しい材料を買う金はねーから、使うならウチにあるものだけ使えよ」 「まかせてヨ! 今日の卵かけごはんは、いつもの卵かけごはんじゃないアル!!」 一日目 「…………神楽、これは?」 「味の素卵かけごはんアル」 「実質只の卵かけごはんだよね」 「違うアル。うまみかけごはんアル」 二日

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2025年9月14日読了時間: 2分
[銀魂]ちょっと変わってる大五郎くん
大五郎くんは、ちょっとだけ変わってる。 普段はボーと、ちょっと気の抜けたような話し方。 でも、たまに人が変わったようになるの。 なんていうんだろ……ハードボード? みたいな? 酸いも甘いもしゃぶりつくした大人!! みたいな。 なんかね、そんな感じになるの。 そういう時の大五郎くんはね、普段は何も考えてないように見えるのに、とっても喋る。 いつもだって、あれで周りをよく見てるから、大人の人をドキリとさせることを言って、驚かれたり怒られたりしてるんだけど。 そういう時は「なんで怒られてるんだろ?」って。 よく分からなそうな顔をしてる。 でも、人が変わったようになってる時の大五郎君は、そういう時、大人の人も正面から言葉で言い負かすの。 だから、いつもは省エネ?をしてて、ここぞって時に本気を出してるんじゃないのって私、思ってるんだ。 それでね、気になったから大五郎くんにね、前聞いてみたの。 「大五郎くんって、たまに人が変わっちゃうよね。どーしてなの?」って けど、その時の大五郎くんは省エネモードから変わってくれなくて 「んー、

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2025年8月14日読了時間: 2分
[銀魂]ヅラが銀時と再会する前
SS更新のために最近はつらつらとまとまりのない文章を生産するだけになってきましたが、ふと思い出しました。 自分の元々の二次創作の始まりは、こんな書き方だったな、と。 この書き方、自分の中にあるキャラクターの思考を勝手に想像して思うがままに書けばいいので、凄い筆が乗るんですよね……あぁ、楽しい。 国の行く末を憂い、師を救うため、友と未来をつかむためにと未熟ながら飛び出した戦場は、屈辱的なほど無様な結果に終わった。 師は救えず、友は守れず、それどころかそのどちらもを苦しませる結果に終わり、俺と、もう一人の未熟者は深く後悔した。 あの日が過ぎ去ったあと、あいつが空を見上げているのを何度か見かけたが、瞳の中に、以前とは違った空虚な色を感じてしまう時があった。 前はあんなにも我が強かったというのに。 人を小馬鹿にしたような言い回しで相手の感情を曝け出させ、それにノッてきた相手と一緒にバカやって、あいつも共に盛り上がっていた。 それがあの日以来、表面上は人を言葉で翻弄し、淀んだ空気を漂わせる仲間たちの心を晴らしているようだが、あいつ自身はどこか一

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2025年8月1日読了時間: 4分
[銀魂]観察の仕事
山崎退(やまざき さがる)。 泣く子も黙る武装警察真選組の監察、それが僕の仕事だ。 監察の仕事は単に腕っぷしが強ければいいというものではない。 周囲に馴染み、ごく自然に違和感を与えず目的の情報を集めて精査し、必要な情報を上に流す。 そう、真選組が隊を率いての大捕物劇をするには、僕率いる監察部隊の仕事が前提にあると言ってもいい。 だが、僕たちは目立たない、目立ってはいけないのが仕事のようなものだ。 そのせいか、真選組内での扱いは少々下に見られがちなのも事実だ。 「おい、聞いたか? 例の一件、山崎の奴が重要な情報を引き出したんだってよ」 「聞いた聞いた。それで副長も本腰入れての捜査に踏み切って成果をあげたんだろ?」 「やっぱ監察の仕事って大事なんだな」 「実は山崎ってすごい……?」 「地味なだけだろ?」 「印象に残らないくらい地味だからできる仕事ってだけだろ」 「いやいや、短所も長所っていうし、少なくとも俺にはできねーよ」 「だから隊分けしてんだろ?」 「長所を生かす組織づくりしてる副長がすげーってことなんじゃね?」 「やっぱ副長は戦術家

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2025年7月27日読了時間: 2分
[銀魂]山崎退
以前から書きかけに置いてあったものの、間の文の沖田隊長と近藤さんのストーリーがなく。 土方さんのストーリーはあれど、どう支えたいと思っているかみたいな、山崎退の真選組隊士としての根幹となる軸の部分を書きたかったのに、この話はごっそりそちらが抜けており、最近想像力が貧困な為に間の思いつかず構想メモにとどめたままでしたのでこちらにて供養させていただきます。 かつてはマウンテン殺鬼と名乗り、己の底の浅さを知らずブイブイ言わせていた黒歴史がある。 しかし、ある日江戸で募集がかけられた「浪士組」へ加わり、そこで出会ったある男たちに山崎は気圧され、怖気づき、それまでの威勢を途端に吹き飛ばされ、マウンテン殺鬼の名乗りを即座に撤回し、山崎退と名乗り直した。 それから山崎は、土方や沖田に怯え、決して逆らわず、なるべく無難に過ごそうとやってきていた。 沖田はその幼さからは信じられないほどの剣の腕を持ち、センスがあった。 自分には到底かなわないほどの実力だった。 そのくせして、山崎が怯えるもう一人の男、土方にはしょうもない嫌がらせばかりをして、人が怖がったり困ったり、

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2025年7月14日読了時間: 5分
[銀魂]二人の不死者のあらすじ2
私が【長編】で掲載している「万事屋よ永遠なれ」の補完話の地続きのif話、 【二人の不死者】について、友人に説明する際に書いた文です。 本作のあらすじは別にあるのですが、こちらはこちらで個人的にはあらすじとして良きなのでは? と気に入ってしまった為、SSとして投稿し供養したいと思います。 魘魅銀時が死ぬ寸前、これでようやく世界の絶望が終わる。 世界を滅ぼす魔王を排除できる。 その事に安堵し、己の死の訪れに魘魅銀時は安らかに目を閉じた。 これで、全てがきれいに片付くはずだったのに。 世界は、終わらなかった。 瞼の向こうが眩く光った思った次の瞬間、魘魅銀時は既に、見知らぬ場所にいた。 それは遠い過去。 魘魅銀時の体内に巣食うナノマシンウィルスと、タイムマシンが妙な作用をし、魘魅銀時のみが、過去に飛ばされてしまったのだ。 銀時は絶望した。 しかし、前までは自分の意思でほとんど動かせなかったはずの体が動かせるようになっていた。 ある意味チャンスだ。今度こそ自分の手で全てを終わらせられるチャンス。 銀時は何度も何度も己に錫杖を突き立てる。 臓物をぶちまけ、鮮

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2025年7月1日読了時間: 2分
[銀魂]かまっ娘倶楽部の内情
かまっ娘倶楽部。歌舞伎町内で居を構えている、クセの強いおかまバーだ。 『かまっ娘倶楽部』の経営者は歌舞伎町でも顔の広い、かぶき町四天王が一人「鬼神マドマーゼル西郷」。 マドマーゼルと称しているが、お察しの通りただのオカマである。 「男は度胸・女は愛嬌・オカマは最強」 いつしか誰かが言い始めた、かまっ娘倶楽部内で共通認識と化しているこの名訓を、体現しているのがこのマドマーゼル西郷であった。 かつては攘夷戦争にも参戦していた「白フンの西郷」。 攘夷戦争から身を引いた彼は、妻との間に子をもうけ、後に妻が早世。 母を早くになくした一人息子のため、母替わりを努めようとした結果が、現在の状況である。 漢として大切なモノの為には命を張れる度胸。 女として笑顔を振りまき、人を和ませれる愛嬌(?)。 そのどちらもを兼ね備え、尚且つ攘夷戦争時代に武勇を誇った怪力。 まさに最強のオカマ。 それが「鬼神マドマーゼル西郷」であった。 かまっ娘倶楽部で働く皆にとっての憧れ。最強で最高に自慢のママ。西郷特盛。 歌舞伎町、かまっ娘倶楽部。そこは、西郷特

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2025年6月27日読了時間: 5分
[銀魂]六月
あいも変わらずの書きかけですが、SSとして供養! 6月と言えばじめじめとした雨が長く続く梅雨の時期。 そんなイメージだったのが、ここ数年で大分様変わりしていた。 最近では梅雨入り宣言こそあるものの、例年のようなじめじめとした雨模様が続く日も少なく。 雨の日もあれど、それよりも茹だる暑さ、肌が焼ける暑さが日中は多く、そのくせして日暮れ後は少し肌寒い。 そんな、夏とも春とも言い難いどっちつかずのような状態が続くことが増えた。 だからこそ、雨の日はより一層、天の恵みとしてありがたく思うべきなのかもしれない。 しとしとと天より雨をおとす雨雲。 江戸の町、歌舞伎町にも今日は、雨が降り注いでいた。 歌舞伎町の路地裏には雨水が小さな水溜まりをつくり、往来の道は雨により泥濘(ぬかるみ)道行く人々の足元に茶色い飛沫を散らす。 「銀ちゃん、雨なのに暑いアル」 「あー? そりゃもう6月だからな」 「江戸の6月はもっと涼しかったって聞いたネ。江戸の6月はどこ行っちゃったアルか」 「そんなん、神様がサボって気温設定おざなりにしてるから俺たちの知る6月もお

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2025年6月14日読了時間: 2分
[銀魂]ぐちり屋─肉球ラブにゃんだふる
「あれ、ひょっとしたお二人とも……」 『一つ 好きなだけグチって下さい。』 『二つ 一人で来て下さい。』 『三つ 知り合いに会っても知らぬフリをして下さい。』 『四つ ここで聞いた事は他言しないでスグに忘れて下さい。』 「お二人さん、ほらこれこれ、三つ目、三つ目のところ」 「「……」」 「まぁ良い。親父殿、とりあえず蕎麦を一杯」 「ここでも蕎麦かよ」 「うむ、親父殿がつくるおでんの出汁は蕎麦にも合うのだ。ここの蕎麦はここでしか食べられない親父殿の特別仕様だぞ。お前も食うてみんか」 「タダってんならもらってやるよ、肉球ラブにゃんだふるさんよ」 「む……よかろう。ここで“初めて”出会えた記念だ。親父殿、この新入り……」 「おっとそうだ、今日初めてきたお侍さんには、うちで呼べる名前がありやせんでしたね」 「あ? お侍さんでいーよ別に」 「ちっちっち、それじゃあここに馴染めませんぜ、お侍さん」 「馴染むつもりないんですけど」 「うちではみなさん、知り合いと会っても気付かないふりをしやすいよーうに、特別な名前を」 「それでこいつが肉球ラブにゃんだふるなの?

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2025年6月1日読了時間: 2分
[銀魂]ぐちり屋─新入り
月明かりも乏しい夜道。 提灯の灯と目に優しい電球色が、人通りの少ない夜道で店を広げていた。 ──ぐちり屋 その店は、本来飲食を取り扱う屋台であれば、売っているのはその「味」や屋台と言う特別な営業方法だからこそ味わえる「雰囲気」だろうところ、一風変わった趣向を凝らしていた。 『一つ 好きなだけグチって下さい。』 『二つ 一人で来て下さい。』 『三つ 知り合いに会っても知らぬフリをして下さい。』 『四つ ここで聞いた事は他言しないでスグに忘れて下さい。』 そう、店名通りそこは“愚痴るためにあるお店”──その名も通り「ぐちり屋」。 その店では、今日も内に抱えきれない愚痴をこぼしに、ふらりと客が訪れる。 ***** 「よー、やってるか、親父」 「勿論でさ。ささ、どうぞ座ってください。それで、ご注文は何にします、お侍さん」 「ここ、なにがあんの? 親父のおすすめとか教えてくんね?」 「うちは御覧の通り、腹に入るもんだとおでんや、飲み物関連なら基本的には出せると思いますよ」 「んー、じゃあイチゴ牛乳とか置いてる?」 「へい」 「流石親父、分かってんね

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2025年5月27日読了時間: 5分
[るろ剣]剣路が父、人斬り抜刀斎の過去へ
こちらも目が大きいノート1ページ分に書いてあった書き散らしです。 毎度恒例のもったいない精神供養でございます。 ちゃんとした小説で読みてぇえええ。 白い梅の花が浮かぶ。 鼻につく匂いは胸の痛みを作りあげ、血に濡れた女の顔を思い浮かばせるには十分過ぎる。 あたり一面に広がる雪景色。 血に濡れた赤い雪と白い雪の男は、その中にあって愛するものを自分の手で殺めた現実に向き合おうと、長い間その場に女を抱えたまま膝をついていた。 ***** 「わかんないよ、父さんの考えることなんて……」 母さんの言った「父さんの考え、貴方にも分かるでしょ?」という言葉に、俺は気がついた時にはそう返していた。 俺の返答が意外だったのか、母さんはそれを聞いて二の句が告げなくなっていた。 昔からそうだった。母さんはすぐに表情が変わるから、何を考えているのか大抵のことはすぐに理解できた。 そんな母さんとは反対に、父さんの考えていることなんて、これっぽっちも理解できたことなんてない。 父さんは昔凄い剣客だったらしい。でも、俺は父さんの実力というものを知らない。...

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2025年5月1日読了時間: 2分
[青山剛昌作品]バリスタ技術を持つ黒羽快斗と探偵新一との出会い
こちらは約一ページ分のメモで残っていたものの供養です。 私、これでも一応趣味でとったバリスタ(レベル1)の資格がございますので、これはたぶん、その頃になにかその知識を活かして書こうとしてそのままとまってる状態のものですね。 いつものように供養としてこちらに投稿させていただきます。 人の嗜好ってのは、人の数だけ千差万別だ。そりゃ価値観も違えば例え同じ味覚を有していたとしても、同じものを食べて皆がみな、それを美味しいとは言わないだろう。 スチームを吹き上げる音が店内に響く。数秒後にはそれが沈静化し、カウンターの向こうにはその音を発する機械に、牛乳の入ったミルクピッチャーを持って近づく老齢の男がいる。 老齢の男はまだ若い青年にそれを手渡し、青年は緊張した面持ちでそれを受け取った。 カウンター奥に設置されたコーヒーマシンに向き直り、一度スチームノズルを空吹かししてからミルクピッチャーの中へノズルを差し込み、老齢の男と一度アイコンタクトを交わす。 スチームノズルの差し込む角度、噴射口の挿入具合、目視は十分。 青年は脳内イメージをなぞるように、怖

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2025年4月1日読了時間: 3分
[銀魂]痛み
真っ赤な血を見た。 雨に濡れ、目の前の鬼は見る間に赤く染まっていく。 ──あぁ、俺はこの鬼に斬られたのか 目に見えたのは自分の血だった。 鬼を殺しに来たつもりが、逆に返り討ちにあってしまったのか。 このまま自分は死んでいくのかと。 そこまで頭で理解した時m不思議と恐怖心は湧いてこなかった。 いや、決して全く恐怖心が湧いてこなかったわけではないのだ。 ただそれをも凌ぐほどの激情が、胸打ち震える感情が、脳の正常な働きを鈍らせただけ。 それは征服心、独占欲に似たのかもしれない。 あたかも今目の前にいるこの鬼が、自分の血に染まりいく様に、鬼自身も、自分のものへと変貌していっている。 まるで、そんな気にさせられてしまうのだ。 鬼は染まる。 人の死に際に立ちあう度、鬼の心はその時その場己の目の前に存在する者へと自身の心を強く囚われ、その者にその身に持つ紅を向けた。 死者への弔いの念を込めてか、鬼の瞳はまるで死者に敬服するかのような 色を滲ませる。 そして、それはとても鋭く、だが同時に悲しみとも通ずる双眼で見つめられた時、死に行く

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2025年3月27日読了時間: 2分
[銀魂]嫌われモノの仔鬼
昔々あるところに、人々に忌み嫌われている小さな小さな仔鬼がおりました。 仔鬼はとても異質な色を持って生まれ、それが故に、人々からは忌み嫌われ続けていました。 例えるならば、仔鬼は白。 清廉潔白。 そう、白とは純真無垢で清らかなイメージを持つもの。 仔鬼の心はまさにそれ。 仔鬼は皆が忌み嫌っているほど、邪な心を持つ存在ではなかったのです。 目の前で傷ついているものを見れば放ってはおけず、自分の身など顧みず助けに行く。 そんな仔鬼の心はまさに白色と表現するに相応しいものでございました。 それに比べ、人間の心は仔鬼とは相反し、薄汚れて荒みきり、仔鬼をその異質な容姿だけで迫害という非道な行いで追い込んだのです。 彼らは、自分たちこそが正しいと慢心し、自身の非道な行いを正当化してきました。 それは、仔鬼の体だけでなく、その心までもを深く傷つけていく行い。 仔鬼の手によって助けられた者も、すぐに仔鬼へ牙を向ける。 そして、仔鬼はその類まれなる運動神経と防衛本能により、自身を手に掛けようとしてきた者たちを、軽く、返り討ちにしてきたのです

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2025年3月14日読了時間: 3分
[銀魂]鳴り響く腹鳴
はい、毎月恒例の過去に書き殴った小説のなりかけメモ供養の日です。 何が書きたかったのか全く思い出せませんので、各々勝手に想像くださいな。 ワシも自分でこれ実はこんな流れを想像してたんでは……ってなったら、ちゃんとした形にするかもしれません。 ぐるるる ぐるるる きゅるるる きゅるるる なんとも珍妙な音が鳴り響くここは 『スナックお登勢』の上に店を構えている『万事屋銀ちゃん』。 幾重にも折り重なるようにして紡がれる珍妙な旋律は、聞いていてとても気分の良いものではない。 しかし、、この不協和音にも似た音の真っ只中にいる彼らは、その音を止めようとすることもせず、また、止める術も持ってはいなかった。 「ぎんちゃ〜ん。お腹が減ったアル……ヒモジイよォ〜……」 ソファに突伏して最初に口を開いたのは明るい赤系統の髪色を持つ少女。 自称、歌舞伎町の女王──神楽。 声を上げるため、僅かに持ち上げられたその顔には、くっきりと色濃い隈が浮かび上がっていた。 「だまれ、しゃべるな。無駄な体力を消費するな神楽」 そして次に口を開いたのは、これまたくっきり

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2025年3月1日読了時間: 2分