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白 銀 の 戦 慄
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[NARUTO]旧第七班逆行人生5-4
TEXT『琉叶長編』にて連載中 【旧第七班は逆行人生】のつづきです。 残念がるタンボと悔しがるダンチを煽るように、ニコニコ笑顔でカワラは抹茶を啜る。 それを聞いて更に落ち込む二人を、カワラは楽しそうに見た。 カカシはカカシで、自身の顔を真正面からこうやって褒められることが少なかった為、少し気恥ずかしい気持ちに襲われる。 「……ドーモ」 「ふふっ、そういうところは普通の子供とそう変わりませんね」 カワラの発言にギクリとしないでもなかったが、カカシはそれを臆面にも出さずに「そりゃ、子供ですから」と返した。その返しが子供らしくないと言えるのだが、カワラは敢えてそこには触れず、続ける。 「今日の演習で見せた土遁は素晴らしい展開速度でした。カカシ君の得意忍術は土遁なんですか?」 「いえ、そういうわけじゃ」 「えぇ?! あれだけすげー忍術使えるのに違うのかよ?! ボクてっきりカカシの得意忍術は土遁なのかと」 「うそぉ、アタシもそう思ってたのに。忍術発動までの時間も早かったし、あれって絶対強度も下忍レベル超えてたでしょ」 班員二人の反応も仕方ない。な

siversou
4 日前読了時間: 2分
[NARUTO]旧第七班逆行人生5-3
TEXT『琉叶長編』にて連載中 【旧第七班は逆行人生】のつづきです。 「……ダンチごめん。今日はアンタの意趣返しもある程度は許容するわ」 「やったぜ!」 「そんな、タンボさん……」 口元にお抹茶を運びかけていたカワラは、珍しいタンボの寝返りに悲しそうな表情をして見せる。 だが、タンボもダンチも、そんなカワラの表情も半分は演技であると理解しているため、冷めた目を向けた。 「……カワラ先生、ご馳走様でした」 「えっ」 「食うのはっや!」 三人が慣れたやり取りを繰り広げていると、横からカカシの声がしてダンチとタンボの二人は驚く。 カカシは既に、栗羊羹を平らげていた。 甘いものが得意そうに見えなかっただけに、この早さであれを完食した事実に驚く。 なにより 「カカシ君の素顔、見れなかった……」 「あっ、あぁぁぁああああああ!! そうじゃん!! せっかくのチャンスだったのに!!」 「私はカカシ君の顔を見ましたよ。サクモさんに似てなるほど、整った顔立ちをしてらっしゃいましたね」

siversou
7月27日読了時間: 1分
[NARUTO]旧第七班逆行人生5-2
TEXT『琉叶長編』にて連載中 【旧第七班は逆行人生】のつづきです。 件の演習試験では、途中までは殆どノーミスで突破できていた。 それが、半分を超えたあたりで殺傷力の高くなったトラップが増えてきて、最後の方に至っては、起爆札の規模や範囲が増しているどころではなく、起爆札を察知して避けた先にクナイがとんでくるように仕掛けが施されており、そのクナイを躱す為に跳べば丸太が頭上を通り過ぎる配置に仕掛け糸が。 かといって、クナイを忍具で弾けば、足元や宙に無数に張り巡らされていた別の仕掛け糸のどれかが切れるであろう状態になっていた。 幸い、その大半はカカシが活躍して凌いだ。 だが、最後の最後でゴール直前だと気づいたタンボは気を抜いてしまい、木葉に隠れるように仕掛けられていたトラップに気づかず。 その結果、仕掛け糸に触れてしまい、クナイがタンボの足に飛んできたのだ。 そのクナイ自体はカカシがトラップとして飛んできたクナイを掴み、そのままタンボを助けるように投げ飛ばしたことで弾き飛ばした。 しかし、クナイの脅威は退けられたものの、咄嗟に狙われた足

siversou
7月14日読了時間: 2分
[NARUTO]旧第七班逆行人生5-1
TEXT『琉叶長編』にて連載中 【旧第七班は逆行人生】のつづきです。 「お待たせしました。ごゆっくり~」 茶屋の給仕が最後の注文を提供し終え、暖簾の奥へと消えていくのを横目に確認したカワラは、店先に一つだけ置かれた椅子に座っている子供たちに声をかけた。 「さぁ、遠慮なくどうぞ。私たちの班結成祝いです」 木ノ葉の里でも古くから親しまれている甘味処。 『甘栗甘』 ここは、店主こだわりの甘栗をふんだんに使用した栗羊羹がイチオシ商品ではあるが、その他にも「甘味と言えば」な定番メニューも取り扱っており、班員各位はそれぞれ別の品を注文していた。 タンボはあんみつ、ダンチはぜんざい、カカシは栗羊羹だ。カワラは甘味ではなくお抹茶を注文し、両手に持っている。 ダンチは給仕から手渡されたぜんざいを見て、破顔一笑。 「やっりぃ!! ボク、カワラ先生のこういう腹が太いところ、大っ好き!!」 「ダンチ君……君が言うと、別の意味に聞こえてしまうんですよね、その言い回し」 「太っ腹って言えるくせに、わざとそっちの言い回ししてるの、アタシ、性格悪いと思うよダンチ

siversou
7月1日読了時間: 2分
[銀魂]目も眩むほどの青[後編]
梅雨をテーマに書いた【目も眩むほどの青[前編]】の続きSSです。 【目も眩むほどの青[後編]】 「……おい」 「…………」 「なぁ」 「…………」 「おいってば」 「…………」 「おい、聞いて……聞こえてんだろ、松陽っ!」 「……はい、聞こえてますよ、銀時」 「ならさっさと返事しろよ」 「……」 「……だから黙るなって」 「……」 「……はぁ、もういい」 松陽と銀時は、緑深い山の中を歩いていた。 松陽と出会い、ついて来いと言われて引かれるようにその背を追った銀時は、その後松陽と各地を歩き回りながら生活していた。 特に当てもない二人旅。 まるで居場所を求めるように。そのくせ、何処にも根付くつもりがないように旅をする松陽と共に旅をし始めた銀時は、松陽の人となりはなんとなく分かってきたが、未だに松陽が何を考えているのかは読み切れずにいた。 今だってそうだ。 この山の麓の村まで来た松陽は、ふと山の方に視線をやり、なんの前触れもなく微笑みを浮かべたかと思うと、唐突に 「こっちです。ついて来てください」 とだけ言い、この山を登り始めたのだ。..

siversou
6月27日読了時間: 3分
[銀魂]目も眩むほどの青[前編]
去年書いた梅雨に合わせたSS 少しSSと呼ぶには長いので前後編で分けしましょう。 加筆してまとまったらページにまとめて更新するかもしれません。 【目も眩むほどの青[前編]】 淀んだ雲の下、雨に降られる男が一人。 あてもなく、まるで何かに追われるように歩き続ける男は、色素の薄い長髪を背へ流していた。 男は緑深い山の中を行く。 ふと、そんな男の視界に、目が覚めるような青が過(よぎ)った。 「……はな、ですか」 気を取られて足を止めた男は、視界の端にあった“それ”に目をやる。 それは、山中に咲き誇る紫陽花の花だった。 雨は視界を燻んだ色に見せる。 そんな明度の落ちた灰色の世界で、その紫陽花だけは実に鮮やかな青色をしていた。 山中で見かける紫陽花はその殆どが紫や青に近い水色であるが、視界に過った“それ”だけは、いっそゾッとする程の青さで。 男は暫くその花を見つめ、そう言えば、と昔このあたりで人に追われて四肢を斬り落とされた過去を思い出す。 たしか、男の記憶が正しければ昔、このあたりで四肢を斬り落とされ動けなくなり、一度意識を飛ばして

siversou
6月14日読了時間: 5分
[銀魂]変わらない銀03
そろそろ早いですがタイトル回収です。 【変わらない銀03】 焦りよりも先に不審が先だった。 なぜ、こんなところにいるのか。 なぜ、気配をけす必要性があるのか。 なぜ──── 尽きない疑念は目の前の子供自身にではなく、目の前で息を殺してこちらを伺っている子の、置かれた状況に対してだった。 だが、いつまでもこうして互いの出方を伺っているわけにもいかない。 高杉は考えるのを止め、肩にかけていた鞄からガサゴソと目的のものを探す。 「……こんなもんしかねェが、食うか?」 子供は暫くこちらの様子を伺っている様子だったが、高杉は余計な動きは見せないように注意して、子供の反応を待った。 子供も、高杉が少なくとも自分の“敵”ではないと判断したのか、息を殺したフリを止め、顔まで被っていたボロボロのタオルを剥いでその顔を露にさせる。 その顔はやはり、高杉のよく知る男の──幼き頃の相貌だった。 「……後から返してくれって言っても、返せねーよ?」 「あぁ、ハナからそのつもりだ」 高杉の言い分に銀髪の子供こそ訝し気な顔をして見せたが、高杉が急かすように

siversou
6月1日読了時間: 2分
[銀魂]変わらない銀02
前回の続きSS 【変わらない銀02】 元の色より大分色褪せたように見える、色素の薄くなった水色のゴミ箱の先。 路地裏を彩る装飾品の一つになっている室外機の奥に、その子供はいた。 今の季節は春。 高杉が二年生に上がり、昔馴染みとの再会を一段落させ、一部再開できなかった既知のことを諦念したのが、一週間ほど前のこと。 しかし、高杉が見つけた子供の姿は、季節に合っていない厚い生地の衣服を地面に敷き、ボロボロになっているバスタオルのようなものを布団代わりに、その場に身を横たえていた。 寝息はない。 だが、子供が死んでいるかもしれないと、高杉が慌てることはなかった。 高杉が路地裏に足を踏み入れた瞬間。 その子供は不自然なほどに全ての気配を消したからだ。 先ほどまで微かに聞こえていたハズの寝息も、僅かに動いて見えた身動ぎも、高杉が路地裏に足を向けた瞬間、その一切を子供は消失させたのだ。

siversou
5月27日読了時間: 1分
今後のサイト運営について
こんにちは、当サイトの管理者である琉叶です。 本日は、当サイト【白銀の戦慄】の今後の運営につきまして、ここ最近ずっと悩んでおりましたことを改めて報告させていただきたく思います。 まず、サイト運営において最も重要視すべきは何か。 私の考えを申しますと 「今もきちんと運営されているサイトなのか?」 と、サイト訪問者がすぐに分かるかどうかではないかと考えます。 その為、これまで当サイトをこの場に移転させて早数年。 毎月数度のブログ更新を心がけてきました。 ※基本的には毎月(1日・14日・27日) ブログと言いましても、その大半がSS(ショートストーリー)という形での更新でしたが。 そして、そのSS更新ですら中々時間や気力・体力が保たず、一応は月3回の更新を継続してきましたが、継続が難しいと感じる月も多くありました。 また、そんな近況下の為か、ゆっくり落ち着いて執筆していきたい長期連載系の話にも手が回らず、それこそ、話の続きを書けない状況に陥っておりました。 そこで、ここ数か月考えておりました案を、先日のSS更新の場にてサラリと記させていただいたのですが

siversou
5月22日読了時間: 2分
[銀魂]変わらない銀01
こういう来世系見たいな、そういや書いたことないなって思ったので、思いついたのをボチボチSSでメモ代わりにあげていきたいと思います。 メモというか、もはやシリーズとして思いついた設定の世界線での場面を、複数書いてSS投稿していくのも手か…… 需要があるかどうかは関係ない。大事なのは自分が読みたいか、書きたいかである。 シリーズタイトルは仮置きです。 今後はあれかな、長編シリーズなんかは、SSで短文投稿して、まとまったらページにまとめる、という流れでもいいかもしれない。 なんならそちらの方が連載進むのでは? こういうのって勢いが大事っておいら知ってる。 【変わらない銀01】 真昼間にも関わらず光も刺さないような薄汚れた路地裏。 足元にはぐしゃりと潰された空き缶やペットボトル、横倒しにされたゴミ箱が転がり、猫の子一匹姿が見えない。 高杉がそれに気づけたのは、遠い昔の記憶──今世(いま)ではない時代に、いやというほど目に留め続けてきた色が視界の端で動いたように見えたからだろう。 ソロバン塾の帰りだった。 高杉は二年前に銀魂高校に入学し、そこで前

siversou
5月18日読了時間: 2分
[銀魂]握り飯の攻防
自然に書き始められる文章が、どうしても屍を喰らう鬼時代の銀時様になってしまうのは、やはり私の癖がここであるという証左か。 風薫る新緑の五月。 山並みは自然に溢れ、目に美しい風景が広がる。 しかし、ひとたび自然から離れた場所へ出れば、そこには寂れた大地が広がっていた。 緑も見えない茶色の大地に、覆いつくすように広がる多数の屍の山。 そこに、子はいた。 腐る前の真新しい屍の身包みを漁り、一つの屍からお目当ての物を見つけた子供は、顔色を変えることなくそれに鼻を近づける。 鼻を突くような饐(す)えた臭いはない。 臭気がないことを確認し、食べれることを確かめた子は屍を座る場所にして緑の葉に包(くる)まれた握り飯に食らいついた。 むぐむぐと柔らかな幼い頬を膨らませ、数日ぶりの戦果を堪能していた子は、空を舞っていた黒が、徐々に近づいてくることに気付くのが遅れた。 気づいた時には、すぐ目の前に飯敵の鋭い趾が迫っていた。 銀の髪が宙に軌跡を引く。 子は瞬間的に身を仰け反らせて襲撃を回避したものの、敵──カラスもカラスで、狙いの握り飯に趾をか

siversou
5月1日読了時間: 2分
[銀魂]囲った太陽
新銀魂-吉原大炎上-が終わってしまう月ということで、今月は吉原月間とし、吉原関連のSSを中心に投稿させていただきました。 きちんとした短編として書き切る余裕と体力がない我が身を呪いながらも、今月のSSはこちらで最後となります。 (毎度のことながら) タダの生意気な小童。 初めはそう思っていた。 しかしその目、有り様はあの憎き太陽をどこか彷彿とさせた。 似ている。血はつながっていないハズなのに、日輪(アレ)と。 止めろ、その目を。 気に食わん。気に食わん目だ。 太陽は引きずりおろさねばならん。 手に届く太陽── 日輪を、この手に。 地に引きずり下ろし、ワシの手の届く範囲に閉じ込めるために。 ある日、この吉原で遊女が子を産んだという報が届いた。 その行く末は死でしかないのは周知の事実。 だと言うのに、複数人もの遊女たちが身籠った遊女を隠し立てし、赤子を取り上げたというのだ。 そこには、あの日輪も名を連ねていた。 この吉原でそうすることの意味が分からぬ女ではない。 その上でそれを成したということは、奴にとってその赤子は、まさに希望に等しいということなの

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4月27日読了時間: 2分
[銀魂]百華の一人
最後足止めをして死んだ百花モブ。 「晴太殿!!」と言ったモブ百華さんに思いを馳せて書き殴ったSS。 吉原でもあの鳳仙様に幼き頃から何かと縁があったらしい日輪様が、ついにこの吉原を逃げ出したらしい。 なんでも、同じ遊郭に住まう遊女が、子供を孕み、あまつさえ同じ楼閣の遊女総出となって子供を抱き上げたのだとか。 そんな子供を、あの鳳仙様にでさえ御大層にも慈悲の言葉をかけようとし、何度も折檻されるという経験をしているらしい日輪様が、こんな光もなにもない常世の鳥籠に置いておくわけもない。 だからといって、よりによってここから地上へと子供のためだけに出ていくなんて。 日輪様……貴方にとって、その子供はそれほどの存在なのか。 ***** 姉さまが天人に殺された。 あの子供を外に逃がすための道を教えたのが、姉さまだったらしい。 いや、他にも多くの遊女たちがあらゆる伝、手段を使って、あの子供を逃がしたという。 処断したのは百華でも鳳仙様でもなかったと聞かされたが、そんなことどうだっていい。 日輪様は足を奪われた。 姉さまは命を奪われた。...

siversou
4月14日読了時間: 4分
[銀魂]鳳仙
鳳仙は月詠が遊女たちを匿い、生かしていたのを知っていた上で黙認していた可能性が高いと考えている。それについて何か書きたい、と思って書いたのが今回のSSです。 盃を傾けながら聞いた報告の中に、今日もアレの性分が故に起こった問題があった。 「飽きぬな……」 日輪の禿(かむろ)から、ここ吉原の番人にまで上り詰めた、剛の者──月詠。 吉原を守る自警団として自ら百華の設立を願い出、当時と変わらず吉原の為、その身を投じている存在。 元が脆弱な地球人生まれながら、努力などという無駄とも思える研鑽を積み、気付けばこの夜王、鳳仙も認める程度には力をつけていたのが月詠だ。 本来ならば守られ、それが叶わなければ敵に蹂躙されるだけの女という性別のクセして、日輪と同じく決して折れない、忌々しい程に強い目を持った存在に、鳳仙は面白くないものを感じたのを覚えている。 既に空いた膳と盃を見下ろし、下げるように人を呼んだあと、鳳仙は提灯の明かりも乏しい座敷の奥から吉原を一望できる縁側で吉原を見下ろした。 鳳仙たち夜兎族は宇宙最強の戦闘民族とも呼び声高く、数多くの敵も

siversou
4月4日読了時間: 3分
[銀魂]松平片栗虎の人物メモ:モブ記録
この先から何を書こうか、時間を空けてしまったら分からなくなって続きが書けなくなったためにこちらに供養させていただきます。 松平片栗虎。 幕府直轄の警察庁長官であり、天下の武装警察真選を創設させた立役者だ。 その当人はまるで893な強面をしており、その実態は公私混同もなんのその、ただただ娘にだだ甘な父親である。 そんな片栗虎だが、娘さんのことは娘本人からは鬱陶しがられる程度には溺愛し、奥さんのことも同じく愛しているものと思われる。 が、事実として夜な夜なキャバクラで豪遊しているというとんでもない生活スタイルでもあったりすることから、直接の部下たちからはその家族愛に不信感を時折持たれたりもしている。 しかし、松平公の無茶ぶりに頻繁に付き合わされている名もなきモブ運転手である私は知っている。 彼が、本当は奥さんのことも、娘さんと同等かそれ以上に愛しているということを。 それを裏付けるように、彼はことある毎に「俺のハートはとっくの昔にかーちゃんに奪われてっからよァ」と口にしている。 人によってはキャバクラ通いをしていることへの言い訳だろ

siversou
3月24日読了時間: 2分
[銀魂]土方さんが総悟に耳かきするだけ
「土方さぁん耳かきしてくだせェ。」 すぱーん、と小気味いい音と共に襖を開け放ちながら18の青年がおおよそ言わないであろうお願いを告げて現れた弟分を、書類に向き合っていた土方は眉を顰め軽く睨んだ。 「何言ってんだテメー、つか今勤務中だろうが。サボってねぇで仕事に戻れ、俺ァ忙しいんだ。」 「いや昨日からねぃ、なーんか耳ン中がガサガサしてやして。気になって夜しか眠れねーんでさ。」 「それ問題ないよね?夜快適に眠れてるよね?むしろ昨日も昼寝してサボってたよね君?」 「てなわけで耳かきお願いしや〜す。」 目頭を抑えながら呆れた声で小言を言う土方をまるっと無視し、ゴロリと横になる沖田。その頭は土方の膝に乗せられ、耳かきされる気満々である。 土方はグイグイと頭を押しながら、つっけんどんにどけコラと怒気を含ませた声で言ってみるがまるで効果はない。 むしろ首に力を込めて意地でもどかされまいと全力で抵抗をするのが沖田という男である。 しばらく無言のせめぎあいが続いたが、いつものように結局土方が折れた、深いため息とともに。 「はぁ.......お前なぁ、もう18なんだ
ナオト 藤咲
3月3日読了時間: 4分
[銀魂]慣れた風景
と散歩が出されたお題である まだ寒く冷たい冬の風。 それでも、少しずつ芽吹きを思わせる草木の香りがふとした瞬間に鼻をくすぐることがある。 定春は、そんな冬と春の丁度中間のような今の時期が、思いのほか気に入っていたりする。 自然と尻尾は揺れ、足も駈け足気味になってくる。 定春の後ろでは、引っ張られるようにして何かを叫んでいる男の声も聞こえるが、それもまた、定春にとっては愛すべき“今”を実感できる要素だった。 「────!!」 あぁ、今日の散歩もなんて気分が良いんだ。 自分の図体のデカさと食い気の良さに、前の主人たちには申し訳なさそうに置いて行かれたこともあるが、今の主人たちはなんのかんのと言いながらも、自分のことを大切にしてくれている。 それが今この時でさえ分かるからこそ、定春は嬉しくて仕方がなかった。 「──ぃ!! ──って言ってん──っ」 歌舞伎町から少し離れた河川敷を爆走する、一匹の大きな白い犬と、その犬のリードを強く握りしめて宙を揺蕩う飼い主の姿も、いまではもう慣れた光景である。 彼らとすれ違う江戸の町民たちは、時折ぎょ

siversou
2月20日読了時間: 2分
[銀魂]感謝の親チョコ
「かーちゃんにチョコを渡したい? 良いじゃねーか、かーちゃんも喜ぶだろうさ」 「それはそうだけど、そうじゃないんだよ銀さん!! オイラは、少しでもかーちゃんに感謝を伝えたいんだ!!」 2月14日。 それは、恋する女の子が好きな男の子にその気持ちと共にチョコを渡す、そんな甘酸っぱい思い出を作るチョコの日、バレンタインデー。 しかし、近年では義理チョコは超えて、友チョコ、自分チョコ、なんて概念も増え、チョコを買う、渡すというハードルは一時期に比べて大分下がっていると言えるだろう。 そんな中、現在万事屋では、既に慣れた顔である晴太が、冒頭の通り「親チョコ」を渡したいと、万事屋に話を持ってきていた。 「お前がくれるもんならなんでも喜ぶって、お前のかーちゃんなら」 「でも……オイラは、手作りでかーちゃんにチョコをあげたいんだ。銀さんは甘いの好きだろ? 神楽ちゃんから聞いたんだ、銀ちゃんは甘いものを作るのはうまいって」 「それで? 結局お前の依頼は何なんだよ。チョコ選びの依頼じゃないのは分かったが、具体的に何をしてほしいんだ?」 「うん、オイラは銀さ

siversou
2月14日読了時間: 2分
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