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白 銀 の 戦 慄
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【銀魂】墓標での誓い
冬になると思い出す。 足先が冷たさを忘れて、感覚がおかしくなったのか、熱を持ったように錯覚するほどの、寒い雪の日。 その日も、いつものように当てもなく練り歩いて、体を休ませる場所として選んだのは墓地だった。 雪の降る日だ。滅多なことじゃ人は来ないだろうと、そう踏んで顔も知らない奴の墓石を背もたれ代わりに、休ませてもらっていた。 だが、人が来ないと思って背を借りていたその墓石の主は、よっぽど人に慕われていた人物だったらしい。 寒さに凍えることも忘れ、気配を消して様子を伺っていると、一人の婆さんが饅頭を供えにやってきた。 ダメだと言われることを覚悟で俺は一つ、その婆さんにお伺いを立ててみた。 「オーイ、ババー。それ、まんじゅうか? 食べていい? 腹減って死にそうなんだ」 断られたら、流石に遠慮しようかと考えていた。 それか、婆さんがいなくなった後にでも、ありがたくいただこうかと。 けど、その婆さんは思ってもいない返しをした。 「こりゃ私の旦那のもんだ。旦那に聞きな」 面白い婆さんだった。死人が口を聞けるわけないってのに。...

siversou
15 時間前読了時間: 2分
【銀魂】湯たんぽ
「銀ちゃん、あれ、なにアルか」 「あれ? あー、あれは古き良き日本の伝統暖房器具、その名も“ゆたんぽ”だ」 「湯たんぽ? なんか美味しそうな名前アルな」 「食いもんじゃねーぞ」 「じゃあどうやってつかうアルか」 「俺も実際に使ったことないから知らね」 「使えない天パアルな」 「んだとこのガキ。全国の天然パーマさんに喧嘩売ってんのか」 「喧嘩売ったのは銀ちゃんにだけアル」 「ちょっとちょっと、こんな往来で子供みたいなやりとり止めてくださいよ。恥ずかしいなぁ、まったく」 「じゃあ新八はあれ、どうやって使うのか知ってるアルか」 「まぁ、うちでも昔使ってたからね」 「じゃあ教えろよ。あれ、どうやって使うネ」 「湯たんぽはね、名前に“湯”って書いてある通り、温かいお湯を中に入れて間接的に温かくなるその容器を暖房代わりにする道具なんだ」 「つまり、あの中にはお湯が入ってるアルか」 「そういうことだね」 「銀ちゃん、私湯たんぽ使ってみたいアル!」 「うちにそんなお金はありません。お妙のとこに余ってんならその内泊めてもらって使わせてもらえ」 「それもそうネ。今度

siversou
12月1日読了時間: 1分
【銀魂】加湿器
11月ってなんだろ、11月にあげれそうなSS何を書こうと瞑想していた時に、私パッと思いつきました。 11月前後には乾燥もひどくなって加湿器を導入し始めるだろう!!万事屋にはまだなかった(少なくとも作中には登場していない)ので、それならばそれで書こう!! と思いついたネタのメモ。 (普通に面白いと思ったネタなので、機会があれば普通に短編として書きたいな、と。機会があれば)。 秋でもなく、かといって完全な冬かと気かれると、冬ほど酷い雪が降ったりするわけではないため、冬と言えば冬だが、果たして完全武装の冬かどうかと問われると一度逡巡せざるを得ない月。 それが、十一月。 そして、雪の代わりに一足先に訪れるもの。 それは乾燥だ。 そう、十一月を迎えると、途端に乾燥が酷くなる。 寝て起きるだけで喉はカラカラになるし、そのせいで風邪を引きやすくもなる。 では、そんな時人はどうするのか。 答えは…… 「加湿器だぁ? んで、そんなものどうして万事屋(ウチ)に?」 その日万事屋に訪れたのは、リサイクルショップ地球防衛基地が店主、 十徳の娘だった。.

siversou
11月27日読了時間: 3分
【銀魂】君の色は
過去作。読まなくていいです。 「……白かな、いや銀色…うーん。」 「なぁーにブツブツ言ってんのとおしろ?」 俺の可愛い可愛い恋人が朝に万事屋に来たんだけどずっとこっちを見たまま何かをブツブツつぶやいている。 暫くそっとしといたけど、いい加減気になるから読んでたジャンプ置いて尋ねてみた。 「え…っ、やっ、別にブツブツなんて言ってねーしっ。」 「そう?さっきからなんか言ってた気がしたんだけど。」 「き、気のせいだろ?」 「ふーん……。」 知らないふりしてるけど顔赤いしあわあわしてるしごまかせてない、相変わらず嘘が下手だなぁ…そこが可愛いんだけどね。 疑わしそうな視線を向ければ気まずそうに顔を背けられる。 「な、なんだよ…。」 「んー?嘘ついてるとおしろになんて本音を言わせようかなぁーって。」 「うっ、嘘なんてついてねぇっ!」 「じゃあなんでこっち見ないの?」 「っ……………。」 意地になって否定するからちょっと意地悪に尋ねてみたら唇をきゅっと噛んで俯いてしまった。 可愛いけど綺麗な唇に傷がつくからやめてほしい。 仕方ないなぁと思いながら席を立ち十四朗
ナオト 藤咲
11月14日読了時間: 3分
【銀魂】焼き芋
本当に久しぶりに、妥協のSSで会話文のみのSSをあげていきたいと思います。 「銀ちゃん、おかわりヨ」 「おっま、もう食ったのかよ。ほらよ」 「あろがとネ」 「神楽ちゃん、熱いのによく素手でいけるね」 「なに言ってるネ新八。焼き芋は焼きたてアッツアツの内に如何に熱いのを我慢してハッハッしながら人より多く食べれるかの戦争アルよ」 「せ、戦争って……」 「そうだぞ、新八。こいつのこの勢いだと、急いでくわねーと食いつくされっちまうぞ」 「万事屋でやる久しぶりの焼き芋なんですから、ゆっくり今を味わって食べたいんですけど」 「うちの家計は火の車なの知ってんだろ。お前はいいよな新八。家に帰ればねーちゃんがご飯作ってくれんだから」 「姉上の作るごはんは大体かわいそうな卵付なので、僕が作ることも多いんですけどね」 「おかわりヨ」 「だからはえーって!! 銀さんまだ二本目だぞ! ちったー遠慮しろ!!」 「あまい、焼きたての焼き芋より甘いアル銀ちゃん。油断したら戦場では負けを覚悟するしかないヨ」 「お前に焼き芋出してやってんの俺なんだけど? 戦う前から特大の不利背負っ

siversou
11月14日読了時間: 2分
【銀魂】二年後に再会するその時まで
万事屋にある通称“社長椅子”。 そこは、普段は万事屋の社長である坂田銀時が座る場所であり、時折神楽が座ることもあった椅子だった。 だが、新八がそこに座ることはなかった。 坂田銀時が、万事屋からいなくなる時までは。 銀時も神楽も、それぞれがそれぞれの「やるべきこと」の...

siversou
10月27日読了時間: 2分
【銀魂】万事屋の朝ご飯事情
神楽はカレンダーを見ていた。 カレンダーの当番割を見ていた。 三日連続で自分が担当になっている始めの日である、今日の日付を見ていた。 「んー」 「……なにやってんの? そんな見つめても、明日にワープするための次元の扉とかあかねーぞ」...

siversou
9月14日読了時間: 2分
【銀魂】ちょっと変わってる大五郎くん
大五郎くんは、ちょっとだけ変わってる。 普段はボーと、ちょっと気の抜けたような話し方。 でも、たまに人が変わったようになるの。 なんていうんだろ……ハードボード? みたいな? 酸いも甘いもしゃぶりつくした大人!! みたいな。 なんかね、そんな感じになるの。...

siversou
8月14日読了時間: 2分
【銀魂】ヅラが銀時と再会する前
SS更新のために最近はつらつらとまとまりのない文章を生産するだけになってきましたが、ふと思い出しました。 自分の元々の二次創作の始まりは、こんな書き方だったな、と。 この書き方、自分の中にあるキャラクターの思考を勝手に想像して思うがままに書けばいいので、凄い筆が乗るんですよ...

siversou
8月1日読了時間: 4分
【銀魂】二人の不死者のあらすじ2
私が【長編】で掲載している「万事屋よ永遠なれ」の補完話の地続きのif話、 【二人の不死者】について、友人に説明する際に書いた文です。 本作のあらすじは別にあるのですが、こちらはこちらで個人的にはあらすじとして良きなのでは?...

siversou
7月1日読了時間: 2分
【銀魂】かまっ娘倶楽部の内情
かまっ娘倶楽部。歌舞伎町内で居を構えている、クセの強いおかまバーだ。 『かまっ娘倶楽部』の経営者は歌舞伎町でも顔の広い、かぶき町四天王が一人「鬼神マドマーゼル西郷」。 マドマーゼルと称しているが、お察しの通りただのオカマである。 「男は度胸・女は愛嬌・オカマは最強」...

siversou
6月27日読了時間: 5分
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