こちらは約一ページ分のメモで残っていたものの供養です。
私、これでも一応趣味でとったバリスタ(レベル1)の資格がございますので、これはたぶん、その頃になにかその知識を活かして書こうとしてそのままとまってる状態のものですね。
いつものように供養としてこちらに投稿させていただきます。
人の嗜好ってのは、人の数だけ千差万別だ。そりゃ価値観も違えば例え同じ味覚を有していたとしても、同じものを食べて皆がみな、それを美味しいとは言わないだろう。
スチームを吹き上げる音が店内に響く。数秒後にはそれが沈静化し、カウンターの向こうにはその音を発する機械に、牛乳の入ったミルクピッチャーを持って近づく老齢の男がいる。
老齢の男はまだ若い青年にそれを手渡し、青年は緊張した面持ちでそれを受け取った。
カウンター奥に設置されたコーヒーマシンに向き直り、一度スチームノズルを空吹かししてからミルクピッチャーの中へノズルを差し込み、老齢の男と一度アイコンタクトを交わす。
スチームノズルの差し込む角度、噴射口の挿入具合、目視は十分。
青年は脳内イメージをなぞるように、怖がらずに一気にスチームをふかした。
ジュジュジュ……ジュジュ…ジュッ…
耳をくすぐる音と水面に意識を集中させ、青年は少しずつ、少しずつ手に持つミルクミッチャーを下ろしていく。
「坊ちゃま」
老齢の男の制止を耳にし、青年は素早くスチームレバーを上げる。
流れるような所作でそのままミルクピッチャーからノズルを引き抜き、後ろのカウンターへミルクピッチャーを置いた。
あとはスピード勝負。
カウンターにミルクピッチャーを置いたら、左手で濡れた布巾を手にしてノズルの噴射口にあて、スチームを空ぶかししてさっとノズル口を綺麗にする。
その作業を素早く、その上で丁寧に終わらせたら、ここからが本番だ。
老齢の男は青年の一挙手一投足を真剣な目で見つめる。
窓から陽の光が差し込み、照明を控えめにしかつけていない店内を、自然光が居心地の良い空間として照らしだす。
青年──黒羽快斗は、昔馴染みの男──寺井から、カプチーノの淹れ方を伝授されているところであった。
ここで止まっているので、肝心の名探偵が登場しておりませんね。
たぶんこれは大学在籍中か卒業後の二人で、それぞれがプライベートで出会うのがこういった流れだと大変滾るのでは、と考えて書いたやつですね。
このメモの中には名探偵が登場しておりませんが、設定的には出る予定であったので、二人の邂逅記念日として、本日4月1日に投稿させていただきます。
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