top of page

​白 銀 の 戦 慄

シリーズライン.gif

【青山剛昌作品】バリスタ技術を持つ黒羽快斗と探偵新一との出会い

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 4月1日
  • 読了時間: 3分

こちらは約一ページ分のメモで残っていたものの供養です。

私、これでも一応趣味でとったバリスタ(レベル1)の資格がございますので、これはたぶん、その頃になにかその知識を活かして書こうとしてそのままとまってる状態のものですね。

いつものように供養としてこちらに投稿させていただきます。



 人の嗜好ってのは、人の数だけ千差万別だ。そりゃ価値観も違えば例え同じ味覚を有していたとしても、同じものを食べて皆がみな、それを美味しいとは言わないだろう。


 スチームを吹き上げる音が店内に響く。数秒後にはそれが沈静化し、カウンターの向こうにはその音を発する機械に、牛乳の入ったミルクピッチャーを持って近づく老齢の男がいる。

 老齢の男はまだ若い青年にそれを手渡し、青年は緊張した面持ちでそれを受け取った。

 カウンター奥に設置されたコーヒーマシンに向き直り、一度スチームノズルを空吹かししてからミルクピッチャーの中へノズルを差し込み、老齢の男と一度アイコンタクトを交わす。

 スチームノズルの差し込む角度、噴射口の挿入具合、目視は十分。

 青年は脳内イメージをなぞるように、怖がらずに一気にスチームをふかした。


 ジュジュジュ……ジュジュ…ジュッ…


 耳をくすぐる音と水面に意識を集中させ、青年は少しずつ、少しずつ手に持つミルクミッチャーを下ろしていく。


「坊ちゃま」


 老齢の男の制止を耳にし、青年は素早くスチームレバーを上げる。

 流れるような所作でそのままミルクピッチャーからノズルを引き抜き、後ろのカウンターへミルクピッチャーを置いた。

 あとはスピード勝負。

 カウンターにミルクピッチャーを置いたら、左手で濡れた布巾を手にしてノズルの噴射口にあて、スチームを空ぶかししてさっとノズル口を綺麗にする。

 その作業を素早く、その上で丁寧に終わらせたら、ここからが本番だ。

 老齢の男は青年の一挙手一投足を真剣な目で見つめる。

 窓から陽の光が差し込み、照明を控えめにしかつけていない店内を、自然光が居心地の良い空間として照らしだす。

 青年──黒羽快斗は、昔馴染みの男──寺井から、カプチーノの淹れ方を伝授されているところであった。





ここで止まっているので、肝心の名探偵が登場しておりませんね。

たぶんこれは大学在籍中か卒業後の二人で、それぞれがプライベートで出会うのがこういった流れだと大変滾るのでは、と考えて書いたやつですね。

このメモの中には名探偵が登場しておりませんが、設定的には出る予定であったので、二人の邂逅記念日として、本日4月1日に投稿させていただきます。

最新記事

すべて表示
【銀魂】ちょっと変わってる大五郎くん

大五郎くんは、ちょっとだけ変わってる。  普段はボーと、ちょっと気の抜けたような話し方。  でも、たまに人が変わったようになるの。  なんていうんだろ……ハードボード?  みたいな? 酸いも甘いもしゃぶりつくした大人!!  みたいな。  なんかね、そんな感じになるの。...

 
 
 
【銀魂】ヅラが銀時と再会する前

SS更新のために最近はつらつらとまとまりのない文章を生産するだけになってきましたが、ふと思い出しました。 自分の元々の二次創作の始まりは、こんな書き方だったな、と。 この書き方、自分の中にあるキャラクターの思考を勝手に想像して思うがままに書けばいいので、凄い筆が乗るんですよ...

 
 
 
【銀魂】観察の仕事

山崎退(やまざき さがる)。  泣く子も黙る武装警察真選組の監察、それが僕の仕事だ。  監察の仕事は単に腕っぷしが強ければいいというものではない。  周囲に馴染み、ごく自然に違和感を与えず目的の情報を集めて精査し、必要な情報を上に流す。...

 
 
 

コメント


bottom of page