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​白 銀 の 戦 慄

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【銀魂】銀時様外国語堪能疑惑について

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 1月14日
  • 読了時間: 11分

学生の時に書いていたメモを電子データにし直していると気づくのですが、なんというかこう……書き方がしつこいな、と感じることが多々ありますね。

 説明も大事だが、適度に省略してテンポ感を出すことが、昔から苦手だったのが顕著に出ていて現実逃避したくなってきましたねぇ。


まぁ。それはそれとして。

本日こちらに供養しますは、以前から私が考えておりました、坂田銀時外国語堪能疑惑に夢を見て、書きたくなった短編の書きかけでございます(やっとこのメモを発掘できたよ……!!)。

書きかけの短編と、書き殴りの構想メモを、本日は供養させていただきます。

 



 青い空の所々に白い雲が浮かんで見える。まさに仕事日和。これは、そんな日のことであった。


「…………」


 焦りからくる緊張からか、額を伝って首筋を流れていく冷や汗を、土方は口を開けたまま言葉も出ない面持ちで感じていた。


『あの、私の話聞いてます?』

「…………」

『あの────』


 右から左へと耳を通り過ぎ去っていく異国語を頭の中で何度も繰り返しながら、土方は自分の前で戸惑いがちに声をかけてくる相手を凝視した。

 一生懸命自分に何かを問いかけているであろう事は、土方も相手の様子でなんとなく理解できる。

 しかし、肝心なその内容が土方には分からないでいた。

 身振り手振りで相手に「私にはあなたの言葉がわかりません」といった旨を伝えようにも、首を横に振るだけではおそらく相手には伝わらないだろうことは土方にもわかった。

 それどころか、首を横に振ってもし相手が話しかけてきている事柄への返答だと勘違いしようものなら、大変な自体になってしまう可能性もある。

 なんて言ったって、今目の前にいるのは、今日の仕事相手なのだから、粗相をしてしまうわけにはいかないのだ。

 もしそんなことになれば、この仕事を自分を信頼して仕事を任せてくれた近藤さんに、申し訳が立たなくなる。


 だが、土方は思う。

 外国語を話す天人が仕事相手なんて聞いてないぞ、と。


 無論、近藤とて事前に情報を得ていたならば必要事項として土方にも伝達してくれていただろう事はわかる。

 だからこそ、土方は思ったのだ。この厄介な仕事をありがた迷惑にも真選組に回してくれた、松平片栗虎、その人に。

 何でも本来は、空間管理局の仕事であったはずのこの仕事だが、急遽地球に来訪することになったさるお方の対応で手が回らなくなり、こちらにお鉢が回ってきた、という経緯らしい。

 土方は知る由もないだろう。

 今土方がこんな状況になっているのは、英国星の皇子ハタ──通称バカ皇子が

「地球のレッサーパンダが見たい」

 と言ってふらりと地球に訪れた事が原因だということは。


 もし土方がそのことを知ったならば

「あんのバカ皇子ィイイイイイイ!!」

 と叫び、その額には青筋が浮かんで、口にタバコを咥えていたならば、無惨にもそのタバコは噛みちぎられていたに違いない。


 そんなこんなで、土方は現在とても焦っていた。

 どうやってこの場を切り抜けようかと。それも、最悪の事態を避け、できる限り最良の状態で、だ。

 しかし、言葉がわからない以上はこの先どう足掻いても最悪の事態を免れる事はできないだろう。


 だからこそ……だからこそ、土方は傍目にも分かるほどに焦り、冷や汗を額に浮かび上がらせていた。

 よく漫画や小説に表記されるように『ダラダラ』と冷や汗を流すことはないが、というか、本当にダラダラ汗が流れ出ていたら、目の前にいる相手もドン引きしているに違いない。むしろホラー、恐怖体験と言えるまである。


 しかし、ダラダラと冷や汗を流すことはないが、土方の額にはたしかに数滴の雫が浮かび上がっていた。

 焦りから過緊張からか、体温は土方の意識に相反して上昇し、そのくせ土方の頭の中は急速に冷えていく。


 どうすれば、どうすればいい……?


 土方の頭の中で何度も同じ言葉が宙を舞う。

 瞳孔の開いたその特徴的な突き刺すような目の中にも、今やぐるぐると渦が巻いている。

 そんな土方の様子を心配してか、天人も気遣わしげに土方に声をかけてくれる。

 だが逆効果だ。

 その気遣いの声掛けが更に、土方を焦らせる。

 まさにループ、悪循環。土方はどんどんドツボにハマっていく。


 土方が今いる場所は相手側の都合で屋内ではなく屋外。

 それも厄介なことに、ここは江戸「歌舞伎町」。

 だからいた。そんな土方を面白いものを見つけたという目で見ている者が。


 しかし、土方はよっぽど焦っていたためか、その男に今の自分の姿が見られるかもしれないという可能性を、完全に失念していた。

 今まさに、その姿を見咎められてしまっていることに、気がつくことができなかった。

 ここ歌舞伎町は、彼の庭であると言っても過言ではないというのに…………


 土方は意味もない身振り手振りで、とにかく相手に何かを伝えようとして、土方の目の前にいる天人はそれを見て困惑しているような表情をして見せる。

『この人は一体何が言いたいのかわからない』

 そんな言葉が、言葉の通じない天人の表情からも伝わってきた。

 土方はその事実に慌て、自分のしでかした失態を恥、その顔はもういっそのこと火を吹いてしまえそうなほどに赤く染まってしまう。

 少し離れた位置でそれを傍観していた男も、最初こそ珍しいものを見たといった風に面白がっていたものの、だんだん笑ってみていられなくなってきた。

 なんというか、普通に大変そうで、気の毒だ。

 気がついたら男の足は土方の方へ進んでいた。


「なにやってんの、多串君」


 バッ

 自分の肩に他人の手が置かれたことに反応し、勢いよく後ろを向いた土方の顔には、「何だお前がここに」と書いてあった。

 今のこの状況でなければ男──坂田銀時はその驚きように腹の底から笑って土方をからかっていたことだろう。

 だが、そうはならなかった。

 「多串君」と呼んでやれば、いつもの調子に戻るだろうと思っての声かけであったというのに、土方の反応はガチ焦りであったからだ。

 お陰で、土方の方に置かれた銀時の手は、土方が勢いよく振り返ったことにより、自然と振り落とされ、宙に浮くこととなった。


「「「…………」」」


 驚愕に固まる顔見知りそうな男二人と、現状を把握

 しきれずに固まるしかない天人。

 三人の間には、暫し気不味い沈黙が落ちた。

 けれど、いつまでもそうしているわけにもいかず、銀時の突然の登場に声も出せない様子の土方を見て、銀時が先に口を開いた。


「あのさ、聞くんだけど……もしかしなくても今、お困りだったり?」


 多少土方のプライドを尊重し、遠慮がちに問いかけられた銀時の言葉に、土方は「見てたんなら分かるだろ!」と思わず返しそうになり、背後に仕事相手である天人がいるのを思い出し、寸でののところでグッと思い留まった。

 その判断は正しかっただろう。

 仕事相手に悪い印象を進んで見せつける必要はないのだから。

 銀時は返答に窮している土方を見て、視線を土方の背後に向けた。

 本当は土方を助ける気なんてサラサラなかったが、今回は特別。

 背後の天人のことをここまで気にしているということは、きっと真選組関連の重要人物なのだろうと推測立てて、銀時は今この場に居合わせてしまったことを少しだけ恨んだ。


 銀時は小さくため息をこぼし、土方の体を横にズラして天人の前に立った。

 唐突な銀時の行動に、今度こそ土方は感情的になり、銀時に仕事の邪魔をするなと声を荒げそうになった。

 だがしかし、土方が声を荒げるよりも前に、銀時が口を開くほうが早かった。


『すいませーん、俺、万事屋っていう、所謂何でも屋をやってる坂田銀時ってんだけど、この後ろの黒いのとは知り合いなんだわ。そんでまぁ、成り行きってーの? 流石に見てらんなかったから、もし依頼してくれるなら、今回は俺が通訳に入ってもいいんだけど、どうします?』

『あなたは私の国の言葉がわかるんですね!! 通訳していただけるなら、本当に助かります! こちらこそ、なんだかお手間を取らせてしまって申し訳ない。是非、依頼という形で通訳をお願いしてもよろしいでしょうか』

『はーい、確かに依頼、お引き受けいたしました。あ、依頼料はあれです、後ろのやつにあとで請求しとくんで大丈夫ですよ。それで早速ですが、さっきまでなんだかお困りの様子でしたけど、どうしたんです?』

『あ、はい。実は────』


 土方は目の前に繰り広げられる光景を、信じられない気持ちでただ呆然と見ることしかできなかった。

 万事屋が何を言っているかは皆目検討もつかないが、両者ともに笑っててをさしだしているところを見るに、なにかしらのコミニュケーションは成立しているのだろう。

 そこまでは分かる土方だったが、それ以上のことは分からない土方は、小難しそうな単語を淀みなくつらつらと口にする銀時を、認めたくはないが認めざるを得なかった。

 知らず知らずのうちに息を呑み、目をそらすことなく二人のやり取りを見ていることしかできない。

 二人のやりとりが一通り落ち着き、土方に向き直るまで、土方はそんな自身に気づくことはなかった。


「あのさ、立場上言いにくいのは分かるんだけどさ、真選組隊士って全部で何人いるか、教えてくんね?」


 暗に(一応は)一般市民である自分に、真選組内の実情を答えられるか聞いてくる銀時に、土方は常ならば教えられるわけ無いだろと一喝するところを、そうできずに暫し言い淀んで悩んだ。

 状況的に今、万事屋はきっと土方に助け舟を出してくれている形になるだろう。

 それに、全幅の信頼を寄せられる関係性ではないが、だからといって真選組に対して、こいつが不利益をもたらすという考えは微塵も湧いてこない程度の信用度はある。

 そのため、銀時の質問を一蹴するわけにもいかず、悩んだ末に、土方は答えた。


「観察の山崎たちも含め、今江戸にいる真選組隊士全員の数を言うなら、四十いかないくらいだ」


 銀時はそれを聞き、小さく「それなら……」ぼやき、何事もなかったかのように天人に向き直った。

 自分には天人との会話の内容を伝えることなく勝手に話を進めていく銀時に、土方は成り行きを見守ることしかできない。

 何もできることがない状態が続く土方は手持ち無沙汰になり、ついついタバコに手が伸びる。

 懐を探り、マヨネーズ……に似たライターを取り出して、口に加えたタバコに火を付ける。

 ふぅ、と白い煙を吐き出せば、それは江戸の空にスゥと溶けていく。

 土方は目の前で自分の代わりに話し込んでいる男をその青い双眸に捉えながら、空気中に僅かに残る白い煙の残痕をぼんやりと眺めた。




*****



 土方がタバコを一本と半分ほど吸い終えた頃、話がようやく一段落ついたのか、銀時と天人は二人して土方に向き直り、声をかけてきた。


「刀は予備も含めてとりあえず60。そちらさんのあのドS皇子のバズーカは本体を1と、中身を10ほど、あちらさんに頼んどいたけど、不足あるか?」


 そう切り出してきた銀時の言葉に「どういうことだ」と、土方は当然説明を求めた。

 なんでも、天人は武器商人をしており、今回は地球での新たな販売ルートを開拓するつもりできたのだという。

 それはわかったが


「ちょっと待て、お前が勝手に真選組の命とも言える刀の数を決めてることに目を瞑るとしてもだ、いくらなんでもその数は多すぎる。うちだって予算に余裕があるわけじゃないんだ。基本俺達の刀は個人持ち。刀は俺達武士にとって命に等しい相棒だろうが。そんなに必要ねぇ」


 自分なりの考えを持って銀時の言葉に返答した土方だったが、その言葉を聞いて、銀時は呆れたような目を向ける。

 そんな銀時の態度に土方はムッとする。

 だが、経験だけでいうなら、きっと自分よりも場数を踏んできたに違いない目の前の男の態度に、土方は真選組副長として新たな見識を広げられる可能性を見出し、グッと怒りを抑えて銀時の言葉を待つことにした。





以上までが、小説の書き殴りでした。

この後はたしか、実力や地位があって金に多少余裕があるお前や隊長職についてるやつらはそれでいいとしても、そうじゃない一般隊士たちは金に妥協して安物の得物を持ってることが多い。

そんな得物でドンパチ繰り返していけば、いつかどこかで血を見るかもしれないどうのこうの〜みたいなやり取りを考えていた記憶がうっすらございます。

ここまでの書き殴りの裏にはその後の構想が簡素に記されておりましたので、本日はそちらを書いて、供養を終わらせたいと思います。



◯坂田銀時外国語堪能疑惑

・土方視点の短編

 土方は仕事で外国語を話さなければならない状況に

(しかし土方は外国語を話せない!?)

  ↓

 銀時様登場

(土方をからかおうとするも、そのあまりのタジタジっぷりに助太刀し、英語での会話を)

 土方さんは驚愕し言葉をなくす

 (だが、この後にはロシア語で話す天人との取引も)

  ↓

 渋々銀時様に助けを求む

 ロシア語を話す天人はあの偽エリザベス


 なんとか事なきを得た後──

 多額の報酬を得てウキウキの銀時様のうしろで、何故銀時様が外国語が堪能なのか疑問持つ

  ↓

 一度洗い出してみるかと考え、幕引き

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