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​白 銀 の 戦 慄

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【銀魂】夜に咲く

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2025年1月1日
  • 読了時間: 4分

まだまだございます、私が学生の時に生成した書き殴りメモの作品たち。

本日供養いたしいますのは銀魂で書き殴っていた作品ですね。

もう昔過ぎて自分でも何を書きたかったのか、何を書いているのか全く記憶にありませんが、少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。



 ジリジリと肌を焦がすように照りつける夏の太陽。

 その白き光は目に眩しく映り込み、女子供の肌を焼き、馬鹿な男達に容赦なく降り注ぐ。

 そんな夏場の佳境に、ここ万事屋では、蒸し風呂状態でえらく険悪な空気が充満していた。


「「「…………」」」


 視線を左右に向け、それぞれが互いの出方を伺う。


「僕はそんなの認めませんよ」

「俺だって、そんな意見を認めるわけにはいかねぇ。こっちにだって大人のプライドってのがあんだ。諦めろ新八」

「そうアル、私も銀ちゃんに賛成ネ。新八、ここはお前が身を引くべきヨ」

「そうはいきません。僕にだってプライドはあるんです。そんなこと、僕だって認めるわけにはいかないね」

「……どうしてもお前は引いちゃくれねぇんだな?」


 新八をいつもとは違い、鈍くも確かにきらめく眼光で見る銀時。

 ゴクリと喉を鳴らしてそれを受ける新八は、冷や汗を流しながら頷く。


「…………」

「…………」

「…………」


 沈黙がまた万事屋を制する。次の瞬間

 ドンッ!


「ふざっけんなよテメェェェエエエエ!! こんなはした金でどうやって祭りを楽しめってんだ! こんなんじゃかき氷5個も買えねーだろーが!! いい加減引けよメガネ!」

「あんだとゴラァアアアア!? 大体こうなったのもアンタがパチンコ代のせいでしょうが!! つかかき氷5個も買えるだけマシじゃないですか!! つーかメガネ今関係ねーだろ! 僕なんて300円ですよ1? こんなんじゃ焼きそば一つだってまともに買えないでしょ! これでも、十分譲歩してるんです。今回ばかりは引くわけにはいきません」

「譲歩? これのどこが譲歩ネ!! 私なんてたったの一万円ヨ! これじゃ焼きそばだってお腹一杯食べられないアル!」

「「十分だろーが!!!」」


 祭り。そう、今夜は三人の会話からお察しの通り、夏祭りがあるのだ。

 子供ははしゃぎ、女は着飾り、男は羽目を外す。

 だが、ここ万事屋の三人はそうもいかない。

 普段から万事屋の家計は火の車なのだ。

 金銭面で揉めるのは当たり前のこと。


「はぁ、わかりました!」


 あらかた論争を繰り広げ終えた三人の先導を切ったのは、万事屋のツッコミ役、志村新八。

 それはそれは盛大なため息を吐き、あたかも優等生然とした奴らがよくやる、眼鏡クイをして見せた。

 光が反射し、眼鏡が怪しく光る。


「ならこうしましょう。まだ今夜の祭りまで時間はあるんです。だから僕たち三人はそれぞれ各自で、夏祭り費用を稼ぐんです。ただし、先程振り分けたお金は返してもらいます。自分で稼いだ分で今日は楽しみましょう。文句はありませんね? 自分たちで稼ぐんですから。お互いにそれぞれの資金に文句はつけっこなしです!」


 人差し指を顔の前に出し、銀時と神楽の顔を交互に見比べながら言う新八の顔からは、有無を言わせぬ気迫を感じさせた。


「…………仕方ねぇな。俺のかき氷、カステラ焼き、わたあめ、リンゴ飴のためだ。その案にのってやるよ、ぱっつぁん」


 体を反らしソファーにもたれかかり、まるでどこかの社長であるかのような素振りで言う「まるでじゃなくて社長で合ってるから」銀時に、新八はヒクリとコメカミを引きつらせる。


「こうなったのは全部アンタのせいですけどね」

「なんだァ? その目は……一応俺は万事屋の社長なんだぞ? お父さんはお前たちをそんな不良に育てた覚えはありません!」

「育てられた覚えないですよ! というか、社長かお父さんどっちかにしろよ!」

「あ~もう! マダオもダメガネもうるさいアル!! 一人ひとり稼ぐことに決まったんなら早くそうするネ! まったく、近頃の若者にはなんでこうルーズなのかしらねぇ。もういいわ、私は先に行くからね。家に帰ったら手洗いうがいちゃんとするのよ! しっかりやんなさいね!」

「定春、行くアル!!」

「ワンッ!」


 居間をドタバタと出て行った神楽は、勢いよく玄関を飛び出し、定春とともに万事屋を出ていく。

 あとに残された二人は、暫し沈黙を貫き、ぼそりと呟いた。


「「……おばちゃん?」」


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