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​白 銀 の 戦 慄

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【鬼灯】

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2024年9月27日
  • 読了時間: 3分

メモの上の方に一言「神獣の二面性について」ってあったので、きっと神獣の、白澤様の二面性について書きたかったんだなぁと。

(私は鬼灯の冷徹の中だと白澤様推しでありますので、わかるー、よみたーい、ってメモを書き起こしながら思いましたね)

 にしても、高校生の時から文章力全く上達してなくて、このメモ書き起こし作業は毎度辛いですね。もったいないので学生の時に書き散らかしていたメモたちは全部上げるつもりですけども、先が長く思えて仕方がない。



 中国の神獣白澤、彼には秘密がある。

 神獣と言う人知を超えた存在であるが故のその秘密は、今日に至る日まで仲間内である鳳凰、麒麟と、天帝以外に知られることはなかった。

 女好きを自称している白澤としては出来うる限り隠し通していたかったのに。

 ちょっとした油断が、まさか秘密を曝け出してしまう結果になろうとは。

 白澤は禍々しい神気を滲ませながら、内から溢れ出てくる負の感情を感じて目の前の鬼に冷たい視線を投げた。

 白澤の視線に、それを向けられた鬼は常とは見るからに違う白澤の雰囲気に──いや、その姿に首を傾けて不思議そうにする。

 そんな鬼の様子で白澤はより一層苛立ちを募らせ、今までひた隠しにしていた秘密について、この鬼に関してはもう隠すのもバカバカしいと、ヤケクソ気味に開き直ることにした。


──あぁ、なんでコイツ相手に油断したんだろ。ほんと……

巫山戯たことしやがって、クソ餓鬼が」


 髪の色を白く変え、赤目を光らせて毒吐いた白澤のその言葉に、目の前の鬼──鬼灯は眼光を鋭くさせ、眉間の皺を深くした。

 白澤はそれを見て、自分が今薄く笑っているだろう事を感じてつい、数刻前の自分の失態を少しだけ嘆きたくなったが、今更嘆いたところで救われぬことは分かっている。

 だからこそ、嘆きたくなった気持ちをそのまま鬼灯に対する悪態に変換することで、何とか内から湧き上がる衝動を押し留めることにした。




*****


 白い髪に赤い目、常日頃から見慣れている割烹着とは正反対の黒い割烹着を目にして、桃太郎は目の前にいる彼が、自分の知る神獣白澤とはどうしても頭の中で結びつけることができなかった。

 結果、桃太郎は目の前の人物にいっそ恐怖してしまいそうなほど冷たい視線を向けられることになってしまった。


「す、すみません! でも、やっぱり信じられないですよ……」


 自称白澤を名乗る男を前に、桃太郎は頭を下げた後で、彼の人を窺うようにして見た。

 その男の横には、男と同じように黒い服を身に纏った鬼灯が憮然とした面持ちで椅子に座っており、今までに見たことのないその光景に、桃太郎はより一層戸惑う。

 何故、こんなことになっているのか。

 自分が仙桃をとりに行っている間に、一体何があったんだ。

 桃太郎は訳の分からない事態に、鬼灯へと無言の助けを求めた。


「無駄だよ、桃太郎くん。このクソ餓鬼はここにいる間──いや、僕の神気にあてられてる限り、まともに喋ることなんかできやしないんだから」


 桃太郎はぎょっとする。

 自分の知る白澤なら、絶対に言わなそうな言葉を、目の前の男は言ったのだ。

 それも、目を細め、とても愉快そうな笑顔を見せて。






***下記より、短すぎてこれだけ上げるのもな……ってなった短文メモ***


 天国の観光名所、仙桃の木々が生い茂る桃源郷では、今日もこうとて乾いた音が響き渡った。


 パッチーン!

「このスケコマシ! 女好き! もう知らない!!」


 女性だからとて、皆が皆、「おしとやか」と言うわけにもいくまい。

 苛立つことがあれば、女性でも鼻息の一つも荒くさせる。

 肺に溜め込んだ息をこれでもかとばかりに吐き出した女人は、目の前で体を器用に折り曲げた神獣を見て、最後にもう一言「バカ!」と力いっぱい吐き捨て、店の敷居をまたいでいった。


「……白澤様、こりませんね」

「……甘いね、桃タロー君」

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