【銀魂】おには外、福はうち
- siversou

- 4 日前
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「あはははは、おにはーそと!」
「おにはーそと! ふくはーうち!!」
「ふくはーうちっ!」
「うわー、痛い、ここはにげろー」
子供たちの元気な声が響き渡る。
寺子屋かどこかで、年に一度の行事として悪しきもの全てを「鬼」の所為とし、外へ追い出して、その代わりに良きこと「福」が招かれるようにと願って行われているのだろう。
楽しそうに豆を撒く子供たちの声と、「鬼」に扮した大人の声が耳に届く。
鬼は外。
福は内。
節分で定番なこの言葉。
深い意味なんてないし、日本にはよく物の例えを定番化させてだけの言葉遊び。
それを耳にし、銀時は声の聞こえる方に目をやった。
鬼の面を被った大人が、子供たちに追い立てられて寺子屋の門を出ていく姿。
そして、お面を外していそいそと寺子屋の中に戻って、子供たちと笑顔で何事かを話し合い、あちこちに散らばった豆をみんなで拾いなおす。
どこにもあるありふれた一幕。
「……うちも、節分の豆買って帰るか」
家でぐーたらしているのか、知らない間に交流の輪を広げに遊びにへと出ているのか。
どちらかも知らないけれど、きっと、少女と一匹は、豆を買って帰ると喜んで食べるだろう。
それが分かるだけに、銀時は面倒くさそうに己の懐具合を確かめ、溜息を吐いた。
「歳の数だけ食うのが伝統だって言って聞いてくれりゃいいんだがなぁ」
脳裏に思い浮かべた一人と一匹は、銀時の想像の中ではぶーぶー、わんわんと抗議の声を上げて腹に収められる豆の増量をせがんでくる。
その想像に対して知らず知らずと頬が緩んでしまうのを感じ、銀時は帰りに寄れる近くの店へと足を向けた。
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