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​白 銀 の 戦 慄

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【銀魂】叶うことのなかったif

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2 時間前
  • 読了時間: 2分

12日に投稿した「成人の日」SSの続編で、万事屋よ永遠なれ時空です。


 数年前までは、ずっとこうやって変わらない馬鹿を続けられると思っていた。

 それが前触れもなく急に終わってしまうだなんて、当時は想像もしていなかっただけに、時間が経ち、月日の経過以上に煤けて見える万事屋の室内を見て、神楽はぼそりと独り言ちた。


「どこに行ったのよ……ばか」


 今年でもう、神楽も19を迎える。

 今日で万事屋の主であった坂田銀時が失踪し、約五年が経過。

 1月14日。今年の成人の日も過ぎ、来年を迎えてしまうと、神楽ももう20歳を迎える歳になってしまう。

 銀時が失踪することになった年の新春、柄にもなく、神楽の成人の日について、銀時が話題にすることがあった。

 地球では一応18歳で元服と言って、成人と認められる風習があるが、神楽の故郷ではどうなのか、と。

 神楽も深く気にしたことがなかった為、その時は「覚えてないヨ」と答えてしまったけれど、その後に、多くの星では20歳を成人として認めているという天人情報を入手し、それなら、神楽の成人の日は「20」を迎える歳になるのか、と。

 そんな話をぶっきら棒に話しながら、それでいてどこか、未来を楽しみにしている雰囲気を醸し出していた、現在では行方を眩ませている男。


「ほんと、期待だけさせて女の子を置いてくなんて、最低なんだから……」


 定期的に掃除をしていても、数日家を空けただけで埃を被ってしまう社長机に手をつき、神楽は静かに目を閉じた。


「わん!」


 物思いにふける神楽の思考を引き戻すように。

 定春は一吠えし、神楽の体に頭を擦り付けた。


「……そうね。感傷に浸るなんて、私の柄じゃないわよね。ありがとう、定春」


 望む形と言えるかは分からないが、再会の日は、神楽の知らないところで確実に近づいていた。

 

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