【銀魂】お味噌汁
- siversou
- 9月27日
- 読了時間: 3分
万事屋のお味噌汁は、日によって変わる。
新八や銀時はその時あるもので使えるものを。神楽はそもそも味噌汁を作らない。
一度銀時に教えてもらって、一人の時に作ってみたこともあるが、銀時に教えてもらった時には美味しく作れたはずなのに、何故かその時と同じ味に作れないのだ。
まぁ、原因は
「んで、このへんで味噌をこんくらい入れる」
「もっと入れてよ銀ちゃん。私塩分過多な味が濃いお味噌汁が好きアル」
「味濃いのが好きつったって、限度ってもんがあんだろ。これ以上は美味しく食えねーぞ」
「……」
「いいから家(うち)の鍋で作る時は味噌こんくらいだからな」
「分かったアル」
といったやりとりがあったものの、美味しいものはどれだけ入れても「美味しいハズ」という考えでいたため、おおよその分量すらなんとなくでしか覚えておらず、二度目に作った時には大量に味噌を入れ、味が濃すぎてとても美味しく食べれる代物ではなくしてしまい、その後リベンジで神楽がお味噌汁を作ろうとした時には、最初に銀時が言っていた分量なんか頭に欠片として残っていない、という状態になったからであった。
「おっ、今日の味噌汁はもやしとネギじゃねーか」
「はい、この間は頂き物の椎茸でお味噌汁作れたんですけどね、流石にもう残ってなくて」
「つっても、家(うち)じゃおかずがある時点で贅沢な朝ご飯だからな。これも贅沢の内ってやつよ」
「贅沢と言えば、先週銀さんが依頼人からもらったって言う茄子で作ったお味噌汁、あれも美味しかったし、ナスも大きくカットされてたから贅沢感ありましたよね」
「あぁ、あれな。ナスは小さく切るよりもデッケー方がなんかいいだろうが。ナスはあれだよ、幸せを運ぶ一富士二鷹三茄子の野菜だからね。幸せはやっぱでっかくないとな」
「美味しかったですもんね。また食べたいな」
「余裕ができたら作ってやるよ」
「本当ですか? 楽しみにしてますね」
「何シレっとうちで朝ご飯食べる気でいるアルか新八。姉御の作る朝ご飯食べてくるんじゃないアルか。私たちのご飯、とるんじゃねーヨ」
憎まれ口を叩きながらも、神楽は定期的にご飯当番となる新八のつくる家庭的なご飯のことは嫌いじゃないし、それがあるから、たまに万事屋で食べるということにも目を瞑ってやることにしている。
だからこそ、たまには自分も二人の為に卵かけごはん以外をご馳走してやろうと思ったのに、お味噌汁づくりは簡単なようでいて思っているよりは難しい料理だった。
ズズズッ……音を立てながらネギの香ばしさとさわやかさ、ほのかな甘みと、それを強調させてくれるもやしの苦味の溶け込んだ新八の味噌汁を啜り、その内お妙に料理について相談してみようと心に決めたのだった。
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