【銀魂】ぐちり屋─肉球ラブにゃんだふる
- siversou
- 6月1日
- 読了時間: 2分
「あれ、ひょっとしたお二人とも……」
『一つ 好きなだけグチって下さい。』
『二つ 一人で来て下さい。』
『三つ 知り合いに会っても知らぬフリをして下さい。』
『四つ ここで聞いた事は他言しないでスグに忘れて下さい。』
「お二人さん、ほらこれこれ、三つ目、三つ目のところ」
「「……」」
「まぁ良い。親父殿、とりあえず蕎麦を一杯」
「ここでも蕎麦かよ」
「うむ、親父殿がつくるおでんの出汁は蕎麦にも合うのだ。ここの蕎麦はここでしか食べられない親父殿の特別仕様だぞ。お前も食うてみんか」
「タダってんならもらってやるよ、肉球ラブにゃんだふるさんよ」
「む……よかろう。ここで“初めて”出会えた記念だ。親父殿、この新入り……」
「おっとそうだ、今日初めてきたお侍さんには、うちで呼べる名前がありやせんでしたね」
「あ? お侍さんでいーよ別に」
「ちっちっち、それじゃあここに馴染めませんぜ、お侍さん」
「馴染むつもりないんですけど」
「うちではみなさん、知り合いと会っても気付かないふりをしやすいよーうに、特別な名前を」
「それでこいつが肉球ラブにゃんだふるなの? 馬鹿なの? アホなの? 呼びずれーよ」
「貴様、せっかく親父殿が考えてくれた愛くるしい名前になんてことを」
「お前のセンスじゃなかったんだ肉球ラブにゃんだふる」
「うむ、俺もはじめはフルーツポンチ侍にしようかと思ったのだがな、今までにも名乗ったことのある名前ではダメだと親父殿に諭されてな。そこで、俺の好きな物をいくつかあげていき、最終的に」
「我ながらイイ名前を考えついたと自負してますよ、旦那」
「そこは肉球ラブにゃんだふるじゃねーのかよ」
「あーはっはっは、親父殿は相変わらずおっちょこちょいだなぁ。ここでの俺の名前は肉球ラブにゃんだふるだろう!」
「へへっ、そうでやしたね、肉球ラブにゃんだふるさん」
「よーす親父。なんだか今日は盛り上がってるねぇ。オレも混ぜてくれよ」
「あ、マダオさん! 今日は懐寒くないんですかい?」
「「「あ」」」
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