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​白 銀 の 戦 慄

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【銀魂】ぷれぜんと

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 19 時間前
  • 読了時間: 2分

 屍を喰らう鬼

 そう言われ始めたのは、いつだっただろう。

 覚えているのは、戦場後の屍から食えそうなものを剝ぎ取ってる時、視界に映る範囲で、誰かが声をあげながら腰を抜かして、走り去って行った後から、そう言われるようになったことくらい。

 身寄りもない子供がこうやって生きてることに、一体何を恐れ戦くというのか。

 いや、理由はなんとなく分かってた。

 問題はたぶん、自分が普通の子供ではなく、見た目が他と少し異質な、銀髪だった点だろう。

 そこさえ違えば、あそこまで驚かれることもなかったんじゃないかって、そう思わないでもない。

 まぁ、こんなこと考えたところで、所詮たらればの詮無き話なんだけど。


 ただ、そう呼ばれ始めてから起こることは、悪いことばかりではなかった。

 異名というのは、それだけで人を畏怖させる効果があるらしい。

 前までは遠目に視線を感じても、汚らわしいものを見る目で見て、離れるものもいたことがあるというのに。

 屍を喰らう鬼、と。

 そう呼ばれるようになってからは、俺が生きた人を殺して屍にしてから身包みを剥ぐんじゃないかって、そう恐怖する一部の人間が、手持ちの食べ物を自身の身代わりのように置いて走り去っていく事が増えたのだ。

 恐れられる意味は理解できないけれど、その置き土産は正直助かる。


 俺は、悲鳴と共に走り去って行く人の姿を見送りながら、大地に捨て置かれた食べ物を拾って、懐にしまった。

 時折雪も降るほどには寒い、そんな時期だ。

 貴重な食べ物、ありがたく思うしかない。

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