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​白 銀 の 戦 慄

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【銀魂】ヅラが銀時と再会する前

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2025年8月1日
  • 読了時間: 4分

SS更新のために最近はつらつらとまとまりのない文章を生産するだけになってきましたが、ふと思い出しました。

自分の元々の二次創作の始まりは、こんな書き方だったな、と。

この書き方、自分の中にあるキャラクターの思考を勝手に想像して思うがままに書けばいいので、凄い筆が乗るんですよね……あぁ、楽しい。



 国の行く末を憂い、師を救うため、友と未来をつかむためにと未熟ながら飛び出した戦場は、屈辱的なほど無様な結果に終わった。

 師は救えず、友は守れず、それどころかそのどちらもを苦しませる結果に終わり、俺と、もう一人の未熟者は深く後悔した。

 あの日が過ぎ去ったあと、あいつが空を見上げているのを何度か見かけたが、瞳の中に、以前とは違った空虚な色を感じてしまう時があった。

 前はあんなにも我が強かったというのに。

 人を小馬鹿にしたような言い回しで相手の感情を曝け出させ、それにノッてきた相手と一緒にバカやって、あいつも共に盛り上がっていた。

 それがあの日以来、表面上は人を言葉で翻弄し、淀んだ空気を漂わせる仲間たちの心を晴らしているようだが、あいつ自身はどこか一線を引いて笑っているような、その表情の下には何も感じていないかのような気分の悪さを感じていた。

 だが、あいつが何も言ってこない以上、俺が無駄なおせっかいを焼くのも違うだろう。

 あいつは強いやつだ。

 俺が知る友は、誰よりも強く、誰よりも優しく、それでいて、誰よりも天邪鬼な奴だった。

 だから、限界が来れば何かしらの予兆くらいは感じとれるだろう。その時になったら、友として手を差し伸べてやればいい。

 あの時、先生の命と引き換えに救ってもらったこの命、今は手を差し伸べたところで、あいつをより苦しめる結果に終わる可能性もある。

 なればこそ、それすら超えてあいつに限界が訪れた時には……その時になれば、手を差し伸べても、許されるだろうか。


 そう、思っていた。

 先生を亡くしたあとも、戦は続いた。

 俺も、銀時、高杉も、心に淀んだ気持ちを抱え込みつつも、戦場にいる仲間の命の為に、最後まで足掻いた。戦場から、離れられずにいた。

 結果、幕府は天人相手に全面降伏。

 俺たち攘夷志士はみんな、追われることとなった。

 戦場の仲間は、一体何人つかまり、何人晒し首になったことだろう。

 俺たちも自身も、自分の身を守るために各地へ散り散りに分かれ、行方を晦ますこととなった。

 高杉は、何処までも愚直で誰よりも真っすぐに先生のことを思っていたからか、身を隠していながら時折噂を耳にしたし、一度は投獄されたとも聞いたが、そこで新たな仲間を迎え、鬼兵隊を再結成したらしい。

 銀時のやつも、何のかんのと言って高杉と同じかそれ以上に目立つ奴だ。

 その内風の噂の一つでも耳に届いてくるだろう。

 そう考えていた……


 俺は銀時を、甘く見ていた。

 何年経っても、高杉の噂は聞くのに銀時の噂は聞こえてこない。

 白夜叉という二つ名すら、いつしか眉唾の存在だろうという輩すら現れ始めた。

 あれほど、俺の記憶の中では鮮烈な存在として在るというのに。

 高杉には何度か接触したが、奴も銀時の行方は知らないという。

 負け犬のことなんか興味ないなんて、憎まれ口を叩いて宵闇に紛れて消えた幼馴染の、誰にぶつけてよいのか分からない悔しさの滲んだ声に、俺は月を見上げてもう一人の幼馴染を思うことしかできない。

 あの時、あいつの心を気遣ったつもりで声をかけないでいたが、もしかしたら、単に俺自身があいつから責められたくはなくて、逃げていたのだろうか。

 あの時、あいつに何か言ってやれていたら、今もあいつは共にいてくれただろうか。


「……俺らしくもない」


 師がため、友がため、国がため。

 不条理だらけなこの世界を、少しでも明るくするために俺は戦ってきた。

 ならば、これからも戦っていくしか俺にできることはないだろう。

 でなければ過去が無駄になってしまう。

 あいつが守ってくれた俺たちの今が、無駄になってしまう。

 きっとあいつは生きている。簡単に死ぬような奴じゃない。

 いつか、また昔のように、三人で集まって馬鹿をやれる日が来ることを密かな楽しみにしよう。


 提灯の明かりが点々と照らす夜道を歩みながら、桂は三人で酒を酌み交わせる日を夢想し、天高く聳え立つターミナルを見据えた。




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