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​白 銀 の 戦 慄

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【銀魂】三つの交差(未)

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2024年11月27日
  • 読了時間: 3分

三つの交差、の書きかけ



 攘夷戦争も後半。

 凡そ攘夷志士たちの戦況は劣勢であった。

 天人の持つ“力”を恐れた幕府が、各地で国のためにと戦っていた侍たちを見捨て、白旗を上げて侍たちへ物資の供給を絶ったことが原因の一つである。

 天人の出す理不尽な条約を恐怖からくる怯えでいとも容易く受け入れ、幕府の中でも上位の位にある者は、最低な奴でも己の保身を図るという目的の為だけに、元々同じ国の人間であるはずの侍たちの命を売った。

 それにより、ただでさえ天人の持つ“力”の前で、次第に劣勢へと傾きかけていた攘夷戦争の戦況は一気に傾いたのだ。

 天人は当時の地球では考えられもしない奇怪な武器を使い、侍たちはそれに戸惑い、大した抵抗もできないままに命を落としたものも多い。

 体には傷を作り、その上幕府からの援助も望めぬままに腹を減らす一方。

 次第に戦の場で命を落とす者よりも腹を減らして餓死する者の方が多くなっていった。


 地獄……そう、その状況はまさしく地獄だった。


 薬も底を尽き、汚染した武器傷はやがて膿む。

 血に濡れた体を清めることもできなければ、満足に眠ることもできない。

 疲労はたまる一方で最後には体力もなくなり異臭を放って死ぬのみ。

 仲間が倒れていく度、己の無力さを知り、それでも死した仲間を弔ってやれるほどの余裕もなく。

 志士たちはただ、黙して仲間の死を見守ってやることしかできなかった。

 それでも、そう簡単に戦いを止めることなどできなくて。

 意地と誇り、そして怨嗟の念が、まるで彼らを突き動かすように戦場へと駆り立てた。


 相方、敵陣へ向って駆ければ自然と大地は砂煙を上げる。

 腹の底から絞り出される雄叫びは両陣の中心でぶつかり、次の瞬間には金属が火花を散らした。

 その先頭には、必ずと言っていいほど白い夜叉の姿があったという。




*****


 自分の荒んだ息遣いが嫌に耳につく。

 刀を振るっているのか、刀に振るわれているのか。

 もはやそんなことさえもが疑問に思えてくるくらい、今日の戦況はいつになく厳しいものだった。

 斬っても斬っても、敵の数は、減っていくところがむしろ増えていくばかり。

 増援されていく敵の数を感覚的に理解し、一方で息絶えていく仲間の存在を背中越しに感じとってしまい、悔しさからか知らぬ間に、口元には血が滲んでいた。

 敵陣に突っ込んでどれほど天人を斬ろうとも、既に傷つき死にゆく仲間の命が救われるわけではない。

 こうして刀を振るっている間にも、仲間の命は次々と失われていっているだろう。

 自分はどれだけ無力なのか。

 それを思い知らされているようで、敵を斬る度に反吐が出そうになる。

 白い衣を血に染めながら、銀時は振るう刀により一層力を込めた。

 人外の断末魔が、仲間の声を搔き消す。

 怒号と爆音。

 喧噪の中では仲間の場所も分からない。

 それが分かるのは皮肉なことに、仲間が死にゆく際にあげる叫び声が耳に届いた時だけだ。

 刀二振り先で上がった声にまた一つ、消えていく仲間の命を知る。

「クソッ!!」

 吐き出した言葉と共に刀を振り下ろせば、斬りつけた相手の血飛沫が舞う。

 全身血に濡れた衣。

 これじゃ、“白夜叉”じゃなくて“血濡れ夜叉”じゃないか。

 眼前に一瞬だけ映り込んだ赤い衣は──







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