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​白 銀 の 戦 慄

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【銀魂】不穏な夢

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 1 日前
  • 読了時間: 2分

久しぶりに銀魂乱舞をして、その流れで銀魂すごろくして、昔懐かしい感覚を思い出せた流れで思いついたシーンを文字に書き起こしました。

何か壮大な長編が始まりそうな書き出し。続きを書くかどうかは、この先の構想がまとまるかどうか次第。




 気がついたら何もない世界に立っていた。

 周りには何もなくて、どこまでも続く妙に煤けた色に見える空と、何もない大地。


「なんだ、ここ」


 なんでこんなところに立っているのかも分からない。

 ただ、こんなところにいつまでも突っ立っていては、どうしようもない。

 とりあえず何処かへ行かなければと、何もない大地へ一歩を踏み出し、また、違和感。

 何かが、おかしいと感じた。

 違和感の正体が分からず、足元を見る。


「あれ」


 俺の足って、こんなだっけ……?

 何かが違った。

 でも、その何かが違うという感覚も、すぐに溶けて消えた。

 足元には、普段と何も変わらないボロボロの足履き。

 どこぞの村で打ち捨てられていた、おそらく売り物にする予定だった筈の失敗作。

 なにが、おかしいと思ったのか。

 違和感を覚えたことすらすぐに分からなくなって、とりあえず先へ進まなけへばと、足を踏み出した。

 ザリッ ザリッ 土の上を歩く音が、厭に耳へ響く。

 ここは、どこだろう。

 思考を巡らそうとしたタイミングで、バサリと鳥が羽ばたく音が聞こえた。

 


────鬼さんこちら、手のなる方へ



 手を2回打ち鳴らす音が、頭の中で聞こえた。

 そのことに嫌悪感を抱いたはずなのに、不思議と心を凪ぐその声色に、俺は……




*****


「……んあ?」


 見慣れた万事屋の天井。

 いつの間にか、顔にジャンプを乗せて寝落ちていたらしい。

 さっきまで何か夢を見ていた気がするが、どんな夢だったのかも思い出せない。


「なんだっけな……なんか、聞こえた気がすんだよな」


 ボンヤリとでも残っているかもしれない夢の記憶を手繰り寄せようとするも、思うように思い出せず、銀時は早々に忘れてしまった夢のことは諦め、グンッと伸びをして凝り固まってしまった背中の筋肉を伸ばす。


「んーーーー、神楽が帰ってくる前に飯の支度でもしとくか」


 夕方はどこぞのガキ連中と遊んでるらしい大食らい娘のことを考え、銀時は夕食の献立に使えそうな冷蔵庫の中身を確かめに、台所へと足を向けた。

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