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​白 銀 の 戦 慄

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[銀魂]花見

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2025年10月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2月9日

 ひたすらに闇が制する世界。

 あたりは何処までも暗い世界が続き、足元に視線を落として初めて、色を目にすることとなる。

 血に染まったかのように真っ赤な、花。

 花火のように花弁を開いている、美しくもどこか儚げな、彼岸の象徴。

 元は死人の体を守るためにと墓地に植えられていた墓守だったハズなのに、いつしか墓地に植えられている花は死のイメージを身に纏ってしまい、死の象徴とされてしまった、悲しき花。


 彼岸の地を埋め尽くしている花たちは、生人(いくじん)から愛され、守ろうとされている証。

 闇が制する世界で、世界を明るくしてくれているそれらに気づいた男は、片目を閉ざしたまま顔を綻ばせた。


「あの世での花見にゃ、桜じゃちと場違いだったか」


 自分をおもう象徴が眼前に広がっている事実に、翡翠の瞳を細めて男は周囲を見渡して穏やかな表情を見せた。此岸に残った者たちに思いを馳せるも、彼らがこちらに来るには、まだ早すぎる。


「俺には過ぎた手向けだが、この場所であいつを待つのもいいか」


 生前の時にあったあらゆる柵(しがらみ)から解放されている今、男が持っていたのは再会を楽しみにする気持ちだった。

 欲を言えばあいつの言っていたように、桜の下で酒でも楽しみながら待っていたかったが。

 この場に桜も酒もない以上、仕方がない。


「ま、あいつらに会えるのはもう少し先になるだろう。その間、俺はここで花でも愛でておくか」


 含み笑いに滲ませた感情は、感傷か愉悦か。

 己を思って植えられた花たちに守られながら、男は彼岸を思い、両の目を今一度閉ざした。

 再会できる時を楽しみに。

 少しでも、再会の時が遅くなることを願って。

 彼岸に咲き誇る花火たちは、男に寄り添い守るように、周囲に広がっていた。

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