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​白 銀 の 戦 慄

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執筆者の写真siversou

[銀魂]【ドタバタ】プロローグ

連載していたけれどもサイト移転際に移動させなかったシリーズ


【ドタバタ一年奮闘記】計二話

あらすじ

依頼の報酬としてもらった一本のイチゴ牛乳。 なんの迷いも無く銀時はコレを飲むが、その為にある異変が・・・・? なんとあの銀時が真面目に? そんでもってフラグ立てまくり! だが勿論それには気付かず・・・・ 最後は分かれ道として「攘夷派」「真選組」「高天原」が・・・・・ 一体どういうこと!?


銀魂 坂田銀時 モテモテ銀時 紳士銀時






黒い粒子に包まれた

その血に濡れた手に握られている木刀―洞爺湖―

それを己の頭上に高々と振り上げ

目の前で腰を抜かす者に怒声を浴びせながら

その木刀を勢い良く振り下ろす


その木刀は鋼で出来ていないにもかかわらず

自らに纏わり付く黒い粒子の反射により

血の様に赤く染まる

ストロベリームーン《赤い月》の怪しげな光明を

一心《一身》に浴びていた


「いっぺん死んで、 空の上からでも人生見直して見やがれぇぇぇええええええ!!」

*****


「本当に有難うございました」 一ヶ月ほど前に来た一件の依頼

‐子供を助けて欲しい‐ この一件、依頼を受けた当初はすぐに終るだろうと万事屋は踏んでいた。 しかし実際の所は、思っていたよりもたいした事のある山だったりしたのである。 その為、一週間もあれば解決する事の出来る依頼。 そう予想立ててみれば、ものの見事に外れてしまい。 依頼は結局、一ヶ月以上もかかってしまったのである。 ま、その話はまたおいおい・・・・・・・ 「別に礼なんていらねぇさ。俺達はただ、依頼を果たしただけだからな」 向かいのソファの上で、何故落ちることが無いのか、器用に土下座をしている依頼人と、その横で大層偉そうにしている今回の依頼の中心人物 ―心掌童(しんしょうどう)―である禁強丸(きんきょうまる) その二人を気遣っているのか、それとも本当にそう思っているのか、手をヒラヒラと顔の横で振りながら「気にしていない」と言う意を表す銀時。 「で、ですが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「もーうぜェから、その頭上げろ」 「・・・・・・・・解りました。ですが、せめてものお礼として、これだけは受け取って頂きます」 申し訳なさそうに顔を上げた依頼人に銀時が一喝を入れ、渋々ソファに座りなおす依頼人。 そしてそろそろと机の上に、受け取って欲しい物として差し出したのは・・・・・・・ 「イ、イチゴ牛乳ゥゥっ!!」

勢い良く身を乗り出す情けない大人。 甘党だからといって、ここまで過敏に反応する必要など無いのだが・・・・・・ 銀時は差し出されたイチゴ牛乳を右手で鷲摑みにし、何の躊躇もなく口に流し込んだ。 依頼人はそれを見届け口を開く。 「そのイチゴ牛乳は、うちの星で作られた物でして、ちょっと変わった効能があるんですよ」 「変わった効能・・・・ですか?」 新八はメガネを押し上げながら、依頼人の言った言葉を復唱した。 ・・・・・・・ドサッ と、新八が復唱してすぐに大きな音が万事屋に響き渡る。 その音は、ソファに座っていた銀時が床に崩れ伏す音だった。 「ぎ、銀さん!?」

いきなりの出来事に頭が付いてこない新八。 とりあえず銀時の傍までいき、身体を揺すってみる。 「あの・・・・コレ、もしかしてさっきの・・・・」 揺すっても銀時は目を閉じたまま反応がない。 ふと、そこで頭をよぎった可能性が。 新八は視線を銀時から、今度はきちんとソファに座っている依頼人に移す。 依頼人はその視線に気付き、先ほど銀時が一気に飲み干してしまったイチゴ牛乳の箱を持ち上げる。 「あ、はい。安心してください。コレはこのイチゴ牛乳の効能が効くまでの準備段階ですので、十分ほどで目を覚まします。ちなみにこのイチゴ牛乳の効能は・・・・・・」 イチゴ牛乳パックのある箇所を指差して新八に近づける依頼人。

見る。 新八はそこを見る。 ・・・・・・・・・・・・・・ 穴が開くほど見つめ・・・・・・・・・ 「え・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! もう一つの人格を引き出すって!? こ、コレは本当なんですか!!」 「え、えぇ、まぁ」 「そ、それじぁ銀さんは・・・・・?」 「あ、心配に及びません。もう一つの人格を引き出すといってもたった一年です。一年過ぎればきちんと元に戻ると思いますよ? それに、人格が変わると言っても、万事屋さんの隠された本性みたいなものですから、大した変わりが無いといえば無いかもしれませんし・・・・・・」 「で、でも・・・・・」 新八が心配そうに銀時に視線を向ければ、今まで黙っていた禁強丸が口を開いた。 「父さん、やる物もやったんだ、俺達も早く帰ろうぜ?」 「あ、あぁそうだな禁強丸。それでは今回は本当に有難うございました」 禁強丸に促されてゆっくりと腰を上げた依頼人は、お礼の言葉とともに頭を一度だけ下げ、万事屋を去って行った。

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