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​白 銀 の 戦 慄

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[銀魂]【四龍】二巻

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2023年6月27日
  • 読了時間: 3分

連載していたけれどもサイト移転際に移動させなかったシリーズ

【四龍を統べし者】計八話


あらすじ

赤・青・紫・黒の四体の龍の力をその身に宿す人。 それら全てを統べるのは銀色の体を持つ龍。 かつて天より舞い降りたこの銀色の龍は、人を愛し慈しんだ。 だが、人には恩を仇で返され、今、打ち滅ぼされんとしたその時、天より、銀とは違うそれぞれ四体の龍が姿を現した。 この龍達は銀龍の事を深く愛し、助けたいと願う。 だが、銀龍はこれを断り、龍達はせめてとその銀色に四人の忠実な部下を与える。 今、銀龍を主にこれら四人の戦いが始まる――――――――

(【暁のヨナ】パロ)


銀魂 龍 坂田銀時 神楽 新八 桂小太郎 高杉晋助 土方十四郎 沖田総悟 神威






周りは敵に刻一刻と囲まれているのが分かる。

足音は次第に小さくなっていき、それこそが包囲網が狭まっている証拠。


「どうしましょう・・・もう逃げ場が・・・・・・・・・」


ポタリ――――――――――-----

音もなく、雫くがこの無駄に空虚な光を放つ城に流れ落ちた。


「新八、お前はもうこの場から去れ」

「な、何を言うんですか白龍王!?」

「このままじゃオメェまで道連れになっちまう」

「しかし」

「・・・・・・・・今まであんがとな」


白龍王は、まだ何かを言おうとしていた新八を手で制し、一つ、胸の前で印を結んだ。


ボフンッ

音と共に、つい先程まで人がいた筈の場所には、小さな紙切れが空(くう)を舞う。


-------式神-------

その“人”は式神を使い、これまでを過してきた。


月がその人を照らす。

その瞳は血のように赤く、溶岩のように煮え滾っていた。

今まで自分の式として、従順に尽くして生きてくれた新八に、これ以上迷惑をかけるわけには行かない。


《白龍王》とその式に呼ばれていた者は、その鋭く煌めいた眼差しを閉じ、今、砂塵さじんを舞い上げ城の中を謳歌するその寒風を身に感じる。


天界にいた頃は毎日のように心地よくその身に浴びていた風。

今ではその風が、かつて龍神であった自分を嘲笑うかの如くその身を撫でて行く。


バタバタ バタバタッ


耳を澄まさずとも耳に聞こえる。

これは今、自分を追い詰めようとする人の足音。


ガチャガチャ チャリン


鉄の鎧いが擦れ音を立てているのが、壁を後ろにする背から伝わる。

時折、その中には鉄により創造された武器が擦れる音が紛れた。


それらは全て、白龍王自身が知識を与え人間に育んだ学び。

それを忘れてしまったのか、今や人間は自分の敵となってしまっている。

黒く塗りつぶされたこの夜空浮かぶあの朧げな月でさえ、今では自身を嘲笑っているのではないのかと疑問に感じてしまう。


フゥ―――――――----

肺に溜まる不純物を吐き出し、息を詰める。


そろそろ逃げるのは止めよう。

昔から愛し慈しんでいた存在なんだ。

そんな人間たちを周りにこの命終えられるなら、それは幸せな生涯だったのかもしれない。


まぁ、龍として生きた方が何億倍も長いが・・・・・・・


覚悟は決めた。

もう逃げ回るような事はしねぇ。

最後は如何様な形であろうと、この人の身で命終えよう。


龍は一人、己の城と共に、愛し止やまない人の身で滅び行こうと誓わん――――----

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