連載していたけれどもサイト移転際に移動させなかったシリーズ
【四龍を統べし者】計八話
あらすじ
赤・青・紫・黒の四体の龍の力をその身に宿す人。
それら全てを統べるのは銀色の体を持つ龍。
かつて天より舞い降りたこの銀色の龍は、人を愛し慈しんだ。
だが、人には恩を仇で返され、今、打ち滅ぼされんとしたその時、天より、銀とは違うそれぞれ四体の龍が姿を現した。
この龍達は銀龍の事を深く愛し、助けたいと願う。
だが、銀龍はこれを断り、龍達はせめてとその銀色に四人の忠実な部下を与える。
今、銀龍を主にこれら四人の戦いが始まる――――――――
(【暁のヨナ】パロ)
銀龍の元を去って行った四つの光。
それらは無事に天界へ帰っていったと銀龍には思われたが、龍達はそんな銀龍の想いも空しく空に留まった。
―我等が愛しやまない【銀】の為
我等が何かしてやれることはないか
―我等の力は、あの様子では決して
【銀】が借りることなどあるまい
―だが口惜しいぞ
このまま我等の【銀】が
人間共によって命絶えるなぞ
―せめて・・・・・・・・・・・・・
我等が代わりとなる者を【銀】の傍に仕えたい
―【銀】は我等の手は受け取らぬ
―既に人の身であるなどと言い吹き
その命終えん限りそれを【銀】ならば拒絶する
―だが我等も、かつて【銀】が愛してくれた
―そうだ、我等もそれと同じように【銀】を愛している
―いっその事、我等の力を《人》に分け与えよう
―何?
【黒】よ・・・・・・・・・・・・・・それは正気か?
―正気ではないのやもしれん
だが・・・・・・・・・・・・・・・・
―それが【銀】の為と言うか!
―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―落ち着け【青】よ
その考え、我は乗ったぞ
―【赤】は我についた【青】に【紫】
貴様等はどうする
―我は【銀】の為ならばどうでも良い
―【紫】もこちら側に付いたか
どうする【青】
早くせねば我等の【銀】がその命を終えてしまうぞ
―仕方あるまい
我等がかつての≪王≫であった【銀】の為
―話は決まった
―これより我等四龍
―それぞれに散り
―その力を《人》に与えん
―だが、失敗すれば《人》は死す
―一度きりだ
―もう時間がない
―あぁ、我等が四龍
―【銀】が為
―我等がかつての≪王≫の為
―また、天空にて会おうぞ同胞・・・・・……
*****
この暗闇に色塗られた空が、一瞬四つの光に染まる。
それは、それぞれ四方に散らばり、その光をより強き流れへと変えた。
それらの四つの光【赤】【青】【紫】【黒】は、これより《人》に力を与えん。
龍達はそれぞれ、その胸に誓いをたてて・・・・・・・……
≪王(ぎん)は我等が護らん≫
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