連載していたけれどもサイト移転際に移動させなかったシリーズ
【逆行の記憶】六話
「……旦那。俺たちは旦那の身体に何もしてやせんぜ?」
総悟がヤローの言葉に一瞬瞬きをしたが、とりあえずヤローが勘違いしている事を諭さとそうとする。
「その身体が今の旦那のものでさぁ」
ついに言った。
ヤローを見れば、先程の総悟と同じように瞬きをしている。
よほど驚いたのか、深い溜息を頭を掻きながら漏らしている。
そしてこっちを見て同情をした時のような色をその顔にかもし出す。
「えっと……なぁ、あんた等ここに来る前に頭とか打たなかった?」
「その身体が今の旦那のものでさぁ」
(ハ?)
思わずその言葉が口をついて出てきそうになってしまった。
俺は何度か視界を閉じて冷静さを保とうとする。
(ハァ~こいつ等大丈夫かよ……)
頭が何とか冷静さを取り戻す。
その後に俺は何故か目の前の連中の事を心配してしまった。
「えっと……なぁ、あんた等ここに来る前に頭とか打たなかった?」
何とか相手を気遣うような視線を向けないように注意して、その言葉を目の前の連中に言った。
それを聞いて、茶髪の方の男がまたしても突拍子もねぇ事を言う。
「頭を打ったのは旦那の方でさぁ。旦那、もう一度聞きやすが旦那の歳はいくつですか?」
……なんでこんな時にそんな事を。
確かに頭には何故か痛みを覚えるが俺は正常だ。
とりあえず、目の前の奴が真面目な顔で俺の顔を見ているので先程の質問に答えてやる。
「しつけ~なぁ。歳は五~七ぐらいじゃねぇの?」
仕方なしにと俺の歳を教えてやれば、あいつ等はお互い顔を見合わせ頷きあった……
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