top of page

​白 銀 の 戦 慄

シリーズライン.gif

[銀魂]ある日の万事屋

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2022年6月27日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年9月29日

 これは江戸、歌舞伎町に店を構えている『万事屋銀ちゃん』オーナーと、その従業員たちのお話である。


 トホホホホ

 肩を下げて道を行く彼は、見るからに元気がない。

 彼らしい白と黒のコントラストも、今日はどこか悲しげだ。

 太陽に照らされて、その眩い銀はどんより重たい雰囲気を醸し出す。

 いつもは死んだ魚のような目と例えられている赤色も、今日ばかりは銀自身も否定できないような状態だ。


 彼自身、道行きながら時たまガラスに映る自分の姿を目にし、納得する有様である。

 本当にひどいツラだ。

 顔は青ざめ、歩き方はまるでゾンビのようではないか。

 そこまで考えて、彼はぶるりと体を震わせた。

 どんより雲とは別に、彼の頭の上に浮かぶふんわり雲。それはイメージ雲。

 その雲を覗けば見えてくる、m型眉毛の濃い顔と、瞳を輝かせている長髪の男。

 その二つのイメージの中央には、重なって『マユゾン』の文字が浮かんで見える。

 どうやらこのイメージが先程彼が体を震わせた原因のようだ。

「……嫌なもん思い出した」

 口に手を当て、元々青かった顔を更に青ざめさせた。

 そこまでの反応を示した彼は、イメージ雲の中で嬉しそうに頬を朱に染めた長髪の男に、唾を吐きかける勢いで目を据わらせる。

 その目つきはまるでどこぞの7:3分けヤクザと同じではないか。

 傍目からじゃ彼がカタギの人間にはとてもじゃないが見えそうもない。

 気のせいか、道を行く人々も自ずとそんな彼を避けているように見える。

「…………」

 ぶるぶる、ぶるり

 犬猫がごとく頭振って慌てて頭上に浮かんでいた雲を散らし、彼は慌てて気を取り直した。



どんな話を考えていたのかまったく思い出せない。なんだ、これは。

とりあえず供養。

最新記事

すべて表示
[銀魂]目も眩むほどの青[前編]

去年書いた梅雨に合わせたSS 少しSSと呼ぶには長いので前後編で分けしましょう。 加筆してまとまったらページにまとめて更新するかもしれません。 【目も眩むほどの青[前編]】  淀んだ雲の下、雨に降られる男が一人。  あてもなく、まるで何かに追われるように歩き続ける男は、色素の薄い長髪を背へ流していた。  男は緑深い山の中を行く。  ふと、そんな男の視界に、目が覚めるような青が過(よぎ)った。 「…

 
 
 
[銀魂]変わらない銀03

そろそろ早いですがタイトル回収です。 【変わらない銀03】  焦りよりも先に不審が先だった。  なぜ、こんなところにいるのか。  なぜ、気配をけす必要性があるのか。  なぜ────  尽きない疑念は目の前の子供自身にではなく、目の前で息を殺してこちらを伺っている子の、置かれた状況に対してだった。  だが、いつまでもこうして互いの出方を伺っているわけにもいかない。  高杉は考えるのを止め、肩にかけて

 
 
 
[銀魂]変わらない銀02

前回の続きSS 【変わらない銀02】  元の色より大分色褪せたように見える、色素の薄くなった水色のゴミ箱の先。  路地裏を彩る装飾品の一つになっている室外機の奥に、その子供はいた。  今の季節は春。  高杉が二年生に上がり、昔馴染みとの再会を一段落させ、一部再開できなかった既知のことを諦念したのが、一週間ほど前のこと。  しかし、高杉が見つけた子供の姿は、季節に合っていない厚い生地の衣服を地面に敷

 
 
 

コメント


bottom of page