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​白 銀 の 戦 慄

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執筆者の写真siversou

[銀魂]もう一つの顔

更新日:2022年9月29日

「分からないくせに……家族と友を殺された気持ち、分かんないくせに! 勝手なことを言うな! お前たち侍が殺したんだ! 人を人とも思わぬお前たちが! 消えてしまえ……消えてしまえ!! この鬼! 悪魔! 外道!」

 空気が、変わった。

 銀時の纏う空気が一変し、刺すように痛い、凍てついたものへと豹変する。

 あたりを取り囲んでいた男たちは、瞬時にその異変に気がついた。

 だが、それはこの不気味な程酷く鋭い空気のせいではない。

「グハッ!」

「うっ!」

「ゴハッ!」

 次々に倒れていく仲間たち。逃げることはできない。何故なら、逃げようと思ったときには既に、自分たちもその場に倒れ伏していたのだから。

 恨み言を叫び続けていた少女は、この事態に何が起こったのか理解できなかった。

「……えっ?」

 自分の胸元から、大量の血が吹き出している。

 いつのまに、なぜ、誰に。

 痛みよりも戸惑いが勝り、胸元からそろりと顔を上げようとした少女の体は、そのまま後ろへと仰け反った。

 ドサッ

 気が付けばあたりは血の海。

 その場に残ったのは、大地に沈む死体と、血濡れになった銀時。そして、驚きに目を見開き固まる、真選組の面々。

 それは僅か五秒足らずの出来事。

 真選組のメンバーでさえ、土方や沖田でさえ、目視できないほどの早業だった。

「なっ……」

 漏れ出た声はそれだけ。

 驚愕を表す声だけが口から漏れ、後の声は喉に詰まってどうしても出てこなかった。

 暫し、周囲に沈黙が落ちる。

 真選組の面々は警戒した、さっきまでは味方として認識していた人物を……坂田銀時を。


 やってしまった。

 少女の言葉で頭に過去の記憶が蘇り、直後に振りかざされた言葉の刃。

 過去の記憶と『鬼』という言葉が引き金となり、銀時はやらかしてしまった。

 表に出すつもりなんてなかったのに、アイツが、顔を覗かせてしまった。

 後悔してももう遅い。分かっている。分かっているからこそ、後悔が体を重くした。

 だが、いつまでも固まっているわけにはいかない。

 先程から感じている、刺々しい視線。

 彼らの視線が、疑心と警戒を孕んだものへと変わってしまっているのだから。

 豹変した俺に驚き、中には怯え、恐怖し、恐れている気配すら感じる。

 これまで築いてきた信頼に、ヒビが入った気がする。



ここまでがノートに書いてあった。

確かこれは、二重人格な銀時様の話を想像した時のだったかな。

ぶっちゃけワシもこれの続きが読みたい。誰か書いてくれまいか。

 

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