「……なぁ。なんでみんな、俺を殺そうとするんだ?」
「お前が鬼の仔だからじゃ」
「ふーん……なら、なんでジジイは俺を殺そうとしねーの?」
「お前が心優しき仔だからじゃ」
「……鬼だって自分で言ってんのに?」
「お前さんの心は鬼じゃなかろう?」
「それでも、あんたは俺のことを鬼仔と呼ぶんだろ?」
「本当の鬼ならこんな老いぼれジジイに、自分の木の実など分けたりはせんじゃろ」
「……なぁジジイ、あんた気づいてるか? さっきから言ってること、微妙に矛盾してるぞ」
「確かに……ワシの言っとることはさっきから矛盾しまくっとるの。……じゃが、ワシの言っとることは全て事実じゃ」
「…………あんた、変わったジジイだな」
「……お前も、十分可愛げのない子供じゃの」
「ほっとけ」
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