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​白 銀 の 戦 慄

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[銀魂]今晩の飯

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2022年1月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年1月9日

「……先生。一つ、聞いて良いか?」

「はい。なんでしょうか?」



「コレは……一体なんなんだ?」

「さぁ、なんなんでしょうねぇ?」



「なんなんでしょうねぇ?……って! コレは、ついさっき!! 先生が持って来た“今晩の飯”だろうがぁぁあああ!!!」

「なら、コレは”今晩の飯”なんでしょう」



「あ、いや……俺が聞きたかったのはそう言う意味じゃなくてだな……」

「はい……?」



「…………俺はこの『今晩の飯』とやらが、一体なんなのかが聞きたかったんだけど」

「“今晩の飯”は“今晩の飯”でしょ?」



「…………コレが?」

「はい。コレが、です」



「…………この怪しげな物体が?」

「はい、その怪しげな物体がです」



「………………“怪しげな物体”って所は否定しねーのかよ」

「はい。否定したくても、否定出来ませんからね」



「……できる事なら俺は否定して欲しかった」

「……私自身、コレが怪しげな物体と思わなくもないですから」



「因みに材料は……?」

「見ての通り。白いお米に小さい豆です」



「つまり、白飯と小豆か」

「はい。見ての通り?」



「……味付けは?」

「お水とお砂糖」



「…………だけ?」

「です」



「………………やっぱ、覚悟を決めるしか道はねーのか」

「……銀時、いくらなんでもそれは言い過ぎですよ。私だって料理ができない中頑張ったんです。少しぐらいは言い方を考えてくれても…………」



「じゃー聞くけど、先生はコレを、覚悟もなしに食べることができんのか?」

「……………………味はどうあれ、材料は全て『食べ物』ですから大丈夫です。きっと」



「松陽先生……否定するならちゃんと否定してくれよ、頼むから……!」

「……すみません、流石の私にもそれは無理です。嘘はつけませんから」



「嘘をつかない変わりにこんな妙なモンを思いついたってんなら、いっその事嘘をついてくれてた方が俺的にはマシだった……」

「……自分でも流石にコレはやり過ぎだと後悔しています」



「…………食べるか」

「……はい、食べましょう」

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