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​白 銀 の 戦 慄

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[銀魂]同級生

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2022年12月1日
  • 読了時間: 4分

 暖かな春の陽気とはよく言ったもので、窓から差し込む光は一ヶ月前と比べるには忍びないほどには暖かい。

 光のベールに包まれた机の上に手を置いて、穏やかになる心とは裏腹に、銀時はざわめく周囲に一瞥をくれてやった。

(全く、高校生にもなって中学の頃と同じ反応とはな……)

 こそこそと数人で集まってこちらを盗み見るクラスメイトたちに、銀時はつまらないものを見るように目を細めた。

 何年経っても人の反応に変化は見られない。

 人間とは成長する生き物だったと思うのだが、、どうやらその学説も絶対とは言い切れないようだ。

 自分の席に着き、手に持っていた鞄を机の横にかけてから銀時は腕の中に顔を埋めて思った。

 とにかく、今はそんなことよりも眠たくて仕方がない。

 進歩のない連中の事は放っておいて今はさっさと眠りについてしまいたかった。

 ザワザワする周囲の音を、右から左へと流すことで銀時はまどろみの世界へと一歩近づいた。

 あと、もう少し。

 だんだんと霞がかかってきた意識に、しかし銀時はその世界へと足を踏み入れる寸前にのそりと体を起こした。

「…………はぁ」

 思わず漏れたため息もこの際仕方がない。

 教室の外で、女の子たちの声が聞こえる。

 先程までは自分を見てざわめいていたクラスメイトたちも、今は女の子たちの声に意識を持っていかれるようだ。

 数秒後には姿を現した人物に、銀時は大きな嘆息と共に言葉を吐き出した。

「相変わらず女にモテてご苦労なこった」

「自分がモテないからって僻んでんじゃねーよ」

 肩に腕を置き、鞄を後ろへとしている高杉に銀時は鼻を鳴らして言う。

「べっつにー、俺は全然僻んでませんけどー? むしろ煩くされなくて大助かりなんですけどー? 俺の貴重な睡眠時間削られずに済んで最っ高!」

「……ま、そう言う事にしといてやるか」

「んだよ、その上から目線。人生楽しそうでよかったなってか?」

「いや、相変わらずノー天気そうな顔してやがんな、だ」

「……喧嘩なら買うぞ」

「金もねーくせにどの口が言いやがる。無駄遣いだ止めとけ、体力のな」

「ああ? 金がねーのは誰のせいだ誰の」

「ヅラ」

「即答で嘘言ってんじゃねー!!」

 イケメンオーラ垂れ流しの高杉と呼ばれた少年に、教室の中にいた女たちは殆ど全員目をハートマークにしていた。

 それを横目で見て、銀時は自分から二つ後ろの席に向かおうとする高杉に聞いた。

「そういや、あの子はどうした? ほらあの、いつもお前の後ろを付いて回ってた、やたら目立つ金髪女」

「来島なら今日は実家の手伝いだそうだ。今朝のメールに書いてあった」

 ホラ、と言って投げ渡された携帯画面には確かにその旨について書かれた文字が羅列されている。

「……プラモデル屋だっけか、こいつの実家」

「モデルガンな」

「あのバカと趣味の合いそうな親父だったよな」

「そのバカからも今朝メールがあったぞ」

 下のメールを見てみろという高杉の言う通り、『来島また子』の下には『坂本辰馬(バカ)』と書かれた発信者からのメールがあった。

「一つ言っとくが、それを読んでも携帯を折んじゃねーぞ。折ったら弁償な」

「んなことする……」

 か、と続けようとした銀時は目に映りこんだ『坂本辰馬(バカ)』からのメールに固まった。


 from:坂本辰馬(バカ)

 件 名:こまった

    いきなりじゃが質問するきに。

    ここはどこじゃ?


 し……

「知るかぁぁああああ!!」

 叫んだ銀時は先程の高杉の言葉を思い出し、両手に力を入れる前に高杉へ携帯を投げ返した。

「なんなんだよアイツ! あのバカ! 俺たちがテメーの居場所知ってるわけねーだろうが!」

 高杉に向かってツッコむ銀時に、高杉は携帯を胸ポケットにしまいながら言う。

「俺に言ってんじゃねーよ。あのバカには一言「地球だ」とだけ返しといたがな」

 ブゥゥゥ

 高杉の胸ポケットにしまわれた携帯が、高杉の言葉に後で震え、銀時は高杉自身にツッコもうとしていたのを止められた。

 携帯を胸ポケットから取り出した高杉は、液晶画面に点滅する『メールを受信しました』という文字と、その下に浮かんでいる送信者の名に眉を顰める。

 送信者:坂本辰馬(バカ)

「………………」

 高杉は暫し逡巡し、携帯を開くことなく再びポケットの中へとインすることにした。

 胸ポケットにメール内容を確認することなくしまった高杉に、銀時は先程のメールが誰から送られてきたものなのかを察した。

「迷子の迷子の辰馬君は、海外に留学していても健在ってな」

 銀時の冷やかしに高杉は「知るか」と鼻を鳴らす。

 自分には関係ないだろうがといった態度だ。

 まぁ、それもその通りだから特に言うこともない。

 席に着いた高杉


これ、いつ書いたやつだ……なに書こうとしてたっけ、どんなストーリー考えてたっけ。

これ書いてたときの記憶なんて消え去ってぞ……続きはどこへいったかな。 

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