top of page

​白 銀 の 戦 慄

シリーズライン.gif
執筆者の写真siversou

[銀魂]少年の明るくない日常

更新日:2022年9月29日

 光の差し込まない暗い部屋で、まだ十にも満たない少年は薄く目を開けた。

 自分は本当に不幸なやつだ。ただ漠然とだがそんなことを思う。

 少し身動ぎをするだけでジャラリと音を立てる鉄の蛇に、少年は呆れの混じった溜息をついて頭を振る。

 頭を振る振動でも蛇はジャラジャラと唸ったが、それも少年が動きを止めれば止んだ。

 少年はまた蛇を見遣り、ゆるゆると込み上げてきた睡魔に大きな欠伸を漏らす。

 膝を抱えて大きな口を開けた少年は、傍から見れば間抜けにも映るが、今この場には少年しかいない。

 これ幸いと、少年は目に涙を浮かべるほど大口を開けて、込み上げてきた睡魔を口から外へと押し出した。

 開いた口を閉じれば先程まで少年の内で燻っていた眠気は霧散し、次に襲い来るのはどうしようもない空腹感。

 腹へ手を当てれば、腹の虫がか細い声を上げた。

 闇に覆われた天井を見て、少年は今日から数日間のことを考える。

「……今日は外に出る日か」



普段は鎖に繋がれて幽閉されている子供の日常には、定期的に外へ出て暴力を与えられる数日間がある的なストーリーを考えていたきがする。

閲覧数:2回0件のコメント

最新記事

すべて表示

【DRRR】自由

出だし過ぎて何を書きたかったのか一切思い出せない静雄目線の書きかけ供養。  青い空、白い雲、小鳥は囀り羽をはばたかせる。  さぁ、飛ぶぞ飛ぶぞ。  小鳥たちは二、三羽でかたまり、お互いにそうやって主張し合うかのように羽ばたきを激しくさせていく。...

【銀魂】討ち入り

土方さん、もしくは真選組主役で書こうとした残骸。  兄さんが死んだ。  ミツバが逝った。  伊藤を殺した。  仲間を守りきれなかった。  多くの者を殺した。  多くの者を失った。  だが、それでもアンタだけは、絶対に殺させやしねぇ…… 「……近藤さん、それはやめとけ」...

【銀魂】異三郎と銀時のやり取り

見巡組と万事屋たちの絡みが見たくて書きかけた小説の供養 「なぁ、まだつかねーの? 一体何時間車に乗ってればいいわけ?」  頬杖をつき、窓の外の景色を眺めながら問いかける銀時は、少しだけいつもとは違って見える。 「すみませんねぇ、後15分くらいですからもう少し待っていてくださ...

Comentarios


bottom of page