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​白 銀 の 戦 慄

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[銀魂]布袋の少年

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2022年6月14日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年9月29日

 鳥が何処かで鳴いて風が吹く。

 暖かいようで涼やかな風は、衣を静かに揺らめかせた。

 しかしここで鼻をつくのは豊かな緑の香などではない。

 辺りに立ち込めるのは風化し腐った屍の死臭。

 ここには麗しく鳴く愛らしい小鳥など存在しない。

 存在するのは醜く醜悪に鳴き続ける黒い鳥……否、この表現はこの場では不適切か。

 より正しく表現するなら、腐って身を削った屍の体を汚らわしく貪り食う悪食な死神だ。

 バサバサ音を立てて空を舞う姿は、死神が黒き衣をはためかせ新たな標的を見定めているかのよう。

 まさに死の鳥、

 腐った屍の臓物を、嘴で抉っては貪り喰らう。

 五臓六腑ぶ湧き出る蛆は、その白い身を二分され、体液を撒き散らした。

 死の国に君臨するがごとく悠然と空を舞う姿は、何者もを圧倒し、その禍々しい体の黒で薄気味悪さを演出している。

 彼らのナワバリには、いつしか死体の山が折り重なるようになっていた。

 幾日々、幾月、幾年。

 どれだけ時が過ぎようと、それは変わらないはずであった。


 いつもと何一つ変わらない日々に、その日、逢魔が時、彼らの平穏を脅かす一石が投じられた。


 ドサリ

 地面に放られ、聞こえた音は、体に鈍重な痛みを走らせた。

「もう我慢できん。お前はここで死んでカラスどもの餌になれ」

 高らかに響く男の声。

 男は自らが放った小さば布袋にそう吐き捨てた。

 男の声は、どこか狂気じみていた。

「…………っ」

 男の放つ狂気じみた殺気。

 それに反応し、土で汚れた布袋が小さな動きを見せる。

 その振動で布袋の口が開き、中身が覗いた。

 中には小さな幼子の姿があり、あちらこちらに赤が滲んでいる。

 


屍を喰らう鬼時代の銀時様には夢が一杯詰まってますね。

こんな妄想ばっかしてた学生時代が懐かしい。

なんなら今でも想像するのが楽しい。

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