白い衣を身にまとい、その綺麗に光る銀髪を血に染め、戦場を駆ける姿はまさしく……夜叉。
その者は、幼い頃より他者から忌み嫌われ、長い間迫害され続けた。
ある時、一人の人間が前に現れ、その者を鬼子から人へと変えた。
その人間は、その者の師であり、親となった。
しかし、その者の親は死んだ。
誰でもない、己自身のせいで。
その者は思った。
もう、自分の大切な人が死ぬのは、苦しむのは、嫌だ、と。
だが、その者の意思に反し、その者が大切に思う友が師の仇討ちへと身を堕とした。
その者は、友を守るために戦場へと再び足を踏み入れた。
そして、誰よりも多く、多く、敵を斬り伏せた。
友が傷つけられぬよう。仲間を失わぬよう。
守るために、誰よりも多くの罪を背負った。
その罪はしかし、今になって、その者に大きな仕打ちとなって返ってくる……
季節は冬。
雪が舞い、すべてを白く染める季節。
「さみー……しんぱちぃ、茶ァくれ茶」
「いやですよ銀さん、寒いのは僕も同じです。自分で行ってください」
「新八のくせに生意気言うようになったじゃねーか」
「新八のくせにってなんですか。この寒さじゃ誰だって嫌がりますよ。僕もそこまでお人よしじゃないですからね」
「じゃ、神……」
「いやアル。私はテコでもここを離れなれるわけにはいかないヨ」
「神楽ちゃん、かっこよく言ってもその状態で言ってたらただのダメ人間発言だよ」
「私人ダメ間じゃないもん。ダメ人間はお前ら二人だロ」
炬燵の温かな空間から抜け出せない三人。
「しゃーねーな。てめーら、今回は特別サービスだ、銀さんがあったかーいお茶注いできてやっから、今度チョコレートパフェ奢れ」
「無理ですよ、給料もらってないんですから」
炬燵を名残惜しげに出て行く銀時に、新八は一言不満を告げる。
銀時はそれを背にしながら適当に受け流し、台所へと向かった。
「すみませーん」
その時、玄関の方から声が。
ここで切るとか過去の自分はずるいよな。続きが気になるとこであと何も書いてなかった。
記憶の中にも続きはない。続きはどこだ。
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