「また外れたぁ!! 半かよ!」
「長谷川さん、今日はツイてねえな」
「いや、銀さんもだろ。俺と同じのにしてんだから」
「だなぁ、ツキこねぇなぁ、あ、おい次のが始まるぞ。いくら賭ける?」
「もうやけくそだ!! 全部だ! 全部!!」
「それもう完璧スるフラグじゃねぇか」
「もうどうにでもなれだ!!」
「おいおい、それスったら今日酢昆布も食えねぇんじゃねぇの?」
「だからどうした!! アハハハハ!」
「あ、ヤバイ、壊れた。でも流石にまずいだろ。……しゃあねぇな。長谷川さん、次のは俺と同じところに賭けな」
「なんでだよ」
「いいから。今日の酢昆布食いっぱぐれたくなかったらな」
「いや、今日の飯、酢昆布じゃねぇけど。…………まぁ、いいか。何時も銀さんが俺と同じところに賭けるのに珍しいな」
「さぁ、入りやした!! 丁半賭けて下せぇ!!」
「おい、銀さんどっちにするんだ? 頼むからな!!」
「5・4の半」
「は?」
「だから、半だって」
「あ、あぁ……」
「勝負!! ……5・4の半!!」
「すっげぇ!! 銀さんなんでわかったんだ!?」
「見てりゃわかんだろ。こんなん賭けにはいらねぇ」
「いやいや、わかんねぇって!! すっげぇ!! 何だよ、これからは俺、銀さんと同じところに賭けるわ!!」
「いやだね、それじゃスリルがない」
「スリル?」
「勝てるとわかる賭けなんざつまんないだろ。だから、俺何時もサイコロの方は見てねぇんだ」
「え~!! 何だよ銀さん遊び人気取りか? その前に動体視力良すぎるだろ。腐っても戦の元英雄、ってか?」
「うるせぇ」
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