top of page

​白 銀 の 戦 慄

シリーズライン.gif

[銀魂]昔書きかけた銀誕ボツ

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2022年11月27日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年11月27日

 新八に布団を剥ぎとられ、神楽は瞼をとろんとさせながらもゆっくりとその体を起こす。

「……今何時アルか?」

 まだ寝惚けていて上手く頭が回らないのか、新八に問うた神楽は押入れから出ようとしてそのまま襖に頭をぶつけてしまう。

「痛っ!?」

「大丈夫神楽ちゃん? もう八時が来るよ、そろそろご飯が炊けるから早く起きて」

 そう言いながら新八は台所まで神楽用に用意していた朝食をとりに行く。

「ん~、大丈夫ネ。それより新八、今日は何アルか?」

「卵焼きとハッシュドポテトにメザシだよ」

 盆にのせて今言った全てのおかずを持って居間に戻った新八。

「今すぐ顔を洗ってくるネ!」

 頭をスリスリとさすっていた神楽は、新八の持ってきた朝食を目にし、先程までの緩慢な動きがまるで嘘のようにシュタッ シュタタタタタと俊敏な動きで洗面所へと向かった。

 新八はそんな神楽の反応になんとも言えない温かい気持ちを覚え、全く仕方ないなと微笑を浮かべながら神楽に山盛りのご飯を注いだ。

 神楽がリビングに戻ってきたのは、それから数秒後だったという。


「プレゼントォ?」

 お登勢がそう言うと同時に、お登勢が持っていった煙草の煙はユラリと揺れた。

「あたしゃプレゼントを買う余裕があるんならサッサと家賃を払ってもらいたいんだけどねぇ」

 煙草を口に咥えながらそう言ったお登勢の言葉に、新八は「アハハ……」と困った顔をしながら口を開く。

「それを僕らに言われても困りますよ。僕らもまともに給料を貰ったことないんですから」

「そうアル! 毎月の給料が酢昆布一ダースってどう言うことネ! 私そんな酸っぱい給料お断りヨ。せめて梅酢昆布一ダースにしてほしいアル!」

「神楽ちゃん……それって結局酸っぱいものから酸っぱいものに変わっただけだから」

 酢昆布を一口、引き千切るようにして口に含んだ神楽に新八はすかさずツッコミを入れた。



2012年に書きかけて終わってたやつらしい。

記憶にすらないよね、もう。

最新記事

すべて表示
【銀魂】墓標での誓い

冬になると思い出す。  足先が冷たさを忘れて、感覚がおかしくなったのか、熱を持ったように錯覚するほどの、寒い雪の日。  その日も、いつものように当てもなく練り歩いて、体を休ませる場所として選んだのは墓地だった。  雪の降る日だ。滅多なことじゃ人は来ないだろうと、そう踏んで顔も知らない奴の墓石を背もたれ代わりに、休ませてもらっていた。  だが、人が来ないと思って背を借りていたその墓石の主は、よっぽど

 
 
 
【銀魂】湯たんぽ

「銀ちゃん、あれ、なにアルか」 「あれ? あー、あれは古き良き日本の伝統暖房器具、その名も“ゆたんぽ”だ」 「湯たんぽ? なんか美味しそうな名前アルな」 「食いもんじゃねーぞ」 「じゃあどうやってつかうアルか」 「俺も実際に使ったことないから知らね」 「使えない天パアルな」 「んだとこのガキ。全国の天然パーマさんに喧嘩売ってんのか」 「喧嘩売ったのは銀ちゃんにだけアル」 「ちょっとちょっと、こんな

 
 
 
【銀魂】加湿器

11月ってなんだろ、11月にあげれそうなSS何を書こうと瞑想していた時に、私パッと思いつきました。 11月前後には乾燥もひどくなって加湿器を導入し始めるだろう!!万事屋にはまだなかった(少なくとも作中には登場していない)ので、それならばそれで書こう!! と思いついたネタのメモ。 (普通に面白いと思ったネタなので、機会があれば普通に短編として書きたいな、と。機会があれば)。  秋でもなく、かといって

 
 
 

コメント


bottom of page