top of page

​白 銀 の 戦 慄

シリーズライン.gif
  • 執筆者の写真siversou

[銀魂]近藤さん(ストーカー)の一日

更新日:2022年1月9日

 ――五時起床――


 朝五時に鳥のさえずりが聞こえ始める。


「うーん……今日もいい天気だ!」

 大きく伸びをして朝一番の厠へ。




――五時半歯磨き&テレビ視聴――


 シャカシャカシャカシャカ。

 ****結野アナの~……ブラック星座うらなぁい♪****



「……おいおいマジかよ、近藤さんもうこの星座占い見ないとか前に言ってなかったけか?」

 襖が開いてトシが話しかける。俺とは違ってしっかり隊服を着込んでる。流石頼りになる副長だ。


「いや~、何だかんだ言ってもこの星座占い、よく当たるからさァ」

「近藤さんも物好きですねィ」


 総悟もいつの間にかトシの後ろに回りこんでバズーカーをセットしていた。


「……何やってんだ、総悟」

「何と言われましても……見ての通り土方さんをちょいと天国まで導いてあげようと思ったんでさァ」


 いつもと何一つ変わらないやり取り。いい朝だ。

 そこへ不吉な知らせが一つ飛び込んでくる。



~今日一番アンラッキーな星座は乙女座でーす。高い所から転落して大怪我を負(お)うこと間違いないでしょう♪~

「「「……………………」」」



~そんなアンラッキーさんも大丈夫! 今日のラッキーアイテムは煮干です。煮干を今日の朝にしっかり食べれば、奇跡的に打撲程度で事は収まるでしょう~



「……近藤さん、これ」

 そう言ってトシに差し出されたのは、小皿に盛られた大量の煮干。


「今日のおやつにと思ってたんだが…………近藤さん、頑張ってくれ」

 襖を開けこの場を去っていくトシ。


「近藤さんこれ」

 二の句も告げぬうちに今度は総悟が俺の前に大袋に入った煮干を突き出してくる。


「土方さんに煮干を大量に食わせてあの世へ送ってやろう大作戦を計画してたんですが…………大丈夫です、これは毒を仕込む前のやつなんで」

 それだけ言い残してトシと同じように颯爽とこの場を去っていった総悟。


「な、なに? 二人して一体なんなの? イヤだなー、こんなのどうせ迷信だって……」

 俺は朝早くで肌寒いというのに大量の冷や汗を屯所で垂らしていた。




――六時早朝練習――

――七時朝風呂――

――八時早朝会議――


――九時歌舞伎町内巡回――



「あ、お妙さ~ん!!」

 俺の麗しの天使お妙さんを確認。その見目麗しいお顔をこちらに向けた朝の挨拶を。



「あら、こんな所にまでまたゴリラが脱走してきてるわ」

 口元に手を当て軽く俺に笑いかけて…………。


「ゴリラの分際で人間様に近寄って組んじゃねェよ!!」


「ゴバッ!!」

 俺にだけ特別な挨拶を交わしてくれた。痛い。




――十一時トシに会う――


「こんどーさん? だいじょーぶか?」

 目を開ければどこかの茶屋にいた俺。


「確か、俺は…………」

「またあの道場娘にやられたのか?」

 俺に確認を取るトシ。


「そうだった!! 今日は運よくお妙さんに遭遇したんだった!」

 今朝方の事を思うと顔が思わず緩んでしまう。トシはそんな俺を見て深い溜息をついた。なんでだ?




――十二時トシと総悟、山崎とで報告確認&昼飯――


「局長、なんで昼飯がファミレスなんですか?」

 定員に注文した後俺に質問をしてくる山崎。


「近くにファミレスがあったら、そこに入るのが礼儀だ」

「……なに変なこと言ってんですか」

 俺、何かおかしなこと言った?




――一時~四時とっつぁんの彼氏暗殺計画実行&失敗――

――五時とっつぁんに連れられ空飛ぶ屋形船へ――


「とっつぁん、ここは一体……」

「なぁに、ヤローの始末こそできなかったが栗子とのお散歩計画を阻止するのを手伝ってくれた、ちょっとした俺の礼だぁ」


 成る程、納得した。この屋形船の案内をしながら部屋へ入るとっつぁん。俺もその後に続く。

 入って驚いた。部屋の中に居たのは…………!


「お妙さん!! 奇遇ですねぇ」

「あらまぁ、本当に奇遇。朝始末したはずのゴリラが、こんな所まで私を追ってきたわ。………………私に近付くんじゃねーよっっ!!!!」

 声高々にお妙さんは俺を押し倒す。



 ――――あ、あのお妙さん! 俺を、俺を!!)



 体を感激の波が押し寄せる。同時に胃が上に押し上げられるような感覚が……。

 俺は不思議に思って下を見た。


「…………お、お妙さ~~~~~~~~~~~~ん!?」

 バッシャーンッ!



~今日一番アンラッキーな正座は乙女座でーす。高い所から転落して大怪我を負(お)うこと間違いないでしょう♪~

 海に落ちる寸前、頭に疎な声が響き渡った。


――――あぁ、変なやせ我慢なんかせずにあん時トシや総悟がくれた煮干……食べときゃ良かった)

 次に目を覚ました時、俺は包帯でぐるぐるに巻かれて自室に転がっていた。

閲覧数:2回0件のコメント

最新記事

すべて表示

【鬼灯】空腹にきく薬

鬼白もしくは未満で考えていた気がする設定の書きかけメモの供養。 鬼灯は孤児と言う理由で生贄と言う形で村人に命を失うこととなり、その恨みや復讐心と、近くを彷徨っていた火の玉たちとが融合し、新たな生命「鬼」として生まれなおした。...

[銀魂]【無から】07.繰り返すの謎の行動

連載していたけれどもサイト移転際に移動させなかったシリーズ 【無からの始まり】七話 た、食べた。 パクッとその小さな口を精一杯あけて もぐもぐと愛らしいその顔の表情を崩さず、口の中で饅頭をしっかりと噛締めゴクリ…という音と共にその噛締め味わった饅頭を喉の奥へと送り込む。...

[銀魂]【無から】06.甘い匂い

連載していたけれどもサイト移転際に移動させなかったシリーズ 【無からの始まり】六話 「あ、あれ男の子だよな?」 「え、男の娘の間違いだろアレ」 「いや、コレ小説だから分かったけど、男の娘はいくらなんでも酷くねぇか?」 「でもアレはどう見ても・・・・・・・」...

Comments


bottom of page