「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「……なぁ」
「…………んだよ」
「コレ、食うのか?」
「食うしかねーんじゃねぇの?」
「銀時。貴様なぜそこで疑問系なのだ」
「……さぁ?」
「いや……“さぁ?”はコレを前にして幾らなんでもねーだろ」
「いや、でも一応コレ植物だし……」
「コレ、毒々しいほど真っ赤なんだが……? お前はコレを食えるってか?」
「高杉よ。そこをツッコム前には“キノコ”を“植物”と言っている所にツッコミを入れてやったらどうだ?」
「……この際そこはどうでも良いんだよ」
「それよりさ、俺が拾ってきたコレ、どうする……? やっぱ食うか?」
「他に食べる物がないのだから仕方がない……と言うわけか」
「ヅラ、なんで溜息を吐きながらだが、既にコレを食べる事を甘受しようとしてやがんだ……?」
「ヅラじゃない、桂だ!!」
「あー、はいはい」
「……銀時、その小学生をあやすような言い方は幾等なんでもちょと適当すぎんだろ。見てみろ、流石のヅラも気持ち悪く口を尖らせて拗ねてんぞ」
「……気持ち悪くない、桂だ……」
「いや、それもう日本語として高杉の言葉と繋がってねーぞ、ヅラ」
「…………ヅラじゃない、桂、だ……」
「つーかしつけーよ、お前」
「……オイ、いつまでそこでくだらねーこと言ってやがるテメー等。んなことやってる暇があったらサッサとコレを食おうぜ。俺も腹ぁ決めた」
「……ほ、本当にコレを食うしか道はねーのかよ?」
「今日で一週間、何も口にはしておらんのだ。仕方があるまい……」
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「お、俺もう一回食糧探すわっ……! 今度は河にでもくり出してくる!!」
「……お、俺も銀時が変な所に行かねーよう、ちょっと様子見に行ってくるわ……!」
「あっ、オイ貴様等!! 背を向けて逃げるとは、武士として恥ずかしいとは思わんのか!!」
「…… 」
「………… 」
「……………………まったく。逃げ足の速い奴等め。というかこのキノコを取って来た張本人が逃げるとは……同じ武士として情けない」
「 」
「 」
「仕方がない。俺一人でもこのキノコを食べるとするか――――――」
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「……なー、銀時」
「あぁ?」
「……さかな、いねーな」
「まぁ、冬の川だしな」
「水はつめてーし、風はさみーな」
「ま、真冬の川だしな」
「…………腹、減ったな」
「まー……、あんなキノコを食うよりは、マシだったんじゃねーの?」
「…………マシって、アレはお前が拾ってきたんだろうが」
「あれ……? そうだっけか?」
翌日、腹痛嘔吐下痢などの症状のため、攘夷軍の指揮官の中に桂の姿は見えなかったと言う――――――――――
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