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​白 銀 の 戦 慄

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[鬼灯の冷徹]日常

  • 執筆者の写真: siversou
    siversou
  • 2021年12月31日
  • 読了時間: 2分

 それは、鬼の力で放たれた渾身の一撃だった。

 ドサッ

 拳が顔にめり込んだ後、白澤は後ろへ勢いよく倒れ、目が回るのを感じながら呻き声を漏らす。

「う~」

 ぐるぐると星が回っている。目の前で無意味に星がぐるぐる、ぐるぐる。

 白澤が目を回しながら呻く姿を見て、鬼灯は小さく鼻を鳴らして白澤へと声をかける。

「白豚はいつまで経っても白豚のままなんですね。今日は午前中には伺うと事前に連絡していたでしょう」

 金棒を振り上げた時、僅かに舞い上がった砂埃を払い、鬼灯は未だに床と仲良しこよししていた白澤を睨んだ。

「ぼ、僕は自分の生きたいように生きてるんだ。お前なんかに指図される筋合いはないよ」

 赤く腫れた頬を押さえ、鼻から血を流しながらそんなことを言う白澤に、鬼灯は眉間の皺を深くする。

「よくもまぁぬけぬけと巫山戯たことが言えますね。自由に生きるのは勝手ですが、それが周囲に迷惑をかけていい理由にはなりませんよ」

 くさっても神獣。

 白澤は驚異の回復力で鼻血を止め、さっと立ち上がって鬼灯へ向き直った。

「確かに僕も少しは悪いと思うよ? でも、だからってその代償にしてはこの仕打ち、鬼だよねぇ」

「鬼です。毎度毎度女性にうつつを抜かして仕事を疎かにするのがいけないんです。いいから注文しておいた薬を早く出してくれませんか」

「用意はもうできてるから、ちょっと待ってて」

 鬼灯の言葉に思うところが多々あるのだろう。白澤はムスっとはしたが、そう言って渋々極楽満月の中へ姿を消した。

 その後ろ姿を見て、鬼灯白澤が完全に姿を消してから嘆息する。


鬼灯の冷徹の日常の一話を書きたかったなーと。

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