[うたわれるもの]巻き戻るとき5-2

TEXT『琉叶長編』にて連載中
【巻き戻るとき】のつづきです。
できれば働きたくないでござる……
口ではそうぼやきつつ、だんだんと手持ち無沙汰で暇を持て余し始めたハクは、帝に会ってから報告したい内容と、提案したい内容を紙にしたためておくことにした。
後々楽をする為に、今できることを済ませておく。
そうすれば後が楽になるはずだと考えての選択だったが、以前のハクならば、後回しにできることはギリギリまで後回しにしていたことだろう。
報告したい内容は弟として気軽な文で書いたが、帝への提案は一応、オシュトルとなっていた頃に慣れた形式で、正式な申請書の形をとることにした。
万が一そのまま、決議会やらなんやらに出すと言い出した時のための措置だ。
兄貴はしっかりしているようで、適当なところはわりと適当にするきらいがある。
そういうところは似たもの兄弟だったよなと、ハクは懐かしむように笑ってから書き終えた手元の巻物を片付けた。
「いらっしゃい、女将から話に聞いてるよ。泊まりはそちらさん二人と、外にいる連中全員分でいいか?」
「ぬおっ!? ……手元に集中してるかと思ったんだが、凄いなアンちゃん。あぁ、事前に報せてた通りそれで頼む」
「はいよ。そんじゃ代金は先払いで」
「こん中にまとめて入ってる。確認してくんな」
「ちょっと待っててくれ」
コメント