top of page
白 銀 の 戦 慄
検索
[うたわれるもの]巻き戻るとき5-2
TEXT『琉叶長編』にて連載中 【巻き戻るとき】のつづきです。 できれば働きたくないでござる…… 口ではそうぼやきつつ、だんだんと手持ち無沙汰で暇を持て余し始めたハクは、帝に会ってから報告したい内容と、提案したい内容を紙にしたためておくことにした。 後々楽をする為に、今できることを済ませておく。 そうすれば後が楽になるはずだと考えての選択だったが、以前のハクならば、後回しにできることはギリギリまで後回しにしていたことだろう。 報告したい内容は弟として気軽な文で書いたが、帝への提案は一応、オシュトルとなっていた頃に慣れた形式で、正式な申請書の形をとることにした。 万が一そのまま、決議会やらなんやらに出すと言い出した時のための措置だ。 兄貴はしっかりしているようで、適当なところはわりと適当にするきらいがある。 そういうところは似たもの兄弟だったよなと、ハクは懐かしむように笑ってから書き終えた手元の巻物を片付けた。 「いらっしゃい、女将から話に聞いてるよ。泊まりはそちらさん二人と、外にいる連中全員分でいいか?」 「ぬおっ!? ……手元に

siversou
10月1日読了時間: 2分
[うたわれるもの]巻き戻るとき5-1
TEXT『琉叶長編』にて連載中 【巻き戻るとき】のつづきです。 翌日、朝食を済ませてすぐにハクは女将へと声をかけ、受付業務を変わってもらった。 女将は受付に厨房のことだけでなく、旅籠屋内の掃除や入浴場の清掃全般。 諸々多岐に渡って少ない従業員に指示を出しつつ、女将自身が自分でも担当していたので、「なんだか悪いねぇ、助かるよ」と笑ってくれた。 ハクは朝早くから訪れる泊り客を時折相手にしつつ、これでかつて受けた恩を少しでも返せてたらいいんだが、と思う。 クオンは朝食を済ませた後、今日駆け込んでくるだろうギギリの被害者たちのために、再度山へ薬草を取りに行った。 過去でも最近になってギギリの被害が増え、不足気味になっていた薬草だ。今後の展開を知っているだけに、備えあれば憂いなしと考えたのだろう。 薬師であるクオンらしい決断だ。 薬草ついでにクオンが旅籠屋を出る直前、酔い止めの薬をつくる薬草があれば頼むと言えば、得心がいった顔をして「任せといて」と出て行った。 ウルゥルとサラァナには、地図をもとに割り出したボロギギリの大まかな住処の範囲を

siversou
9月27日読了時間: 2分