[クロスオーバー]銀魂とコンパス2
更新日:23 時間前
コンパスが銀魂にある惑星で、その中にある国からキャラが江戸に来たらという設定で書いたもの。
続きは考えてはあるので書きたい所存です。
近藤率いる真選組は、普段は市井を守る武装警察である。
だが、それと同時に彼らは幕臣という立場でもあり、地球内はもちろん地球外から来る要人を守る任務に就くことも少なくない。
正直天人ごときどうなっても構わないし、要人といえどもおかしな動きをしたら容赦なくしょっ引くのが彼らである………相手が大きすぎて動けないこともしばしばだが。
まあ、今はそんな話はいいだろう。
そんな彼らのもとに、要人警護のお達しがあったのは、やけに暖かい春の昼下がりだった。
「羅針盤星の妖華帝国に、ヴァルムグラフ……」
「ああ」
「聞いたことねえ星に国だな」
「お上が言うには、ここ最近急に現れて文明の発展が恐ろしく速いらしい。その二国は、その星の中でも著しい成長をとげているようだ」
「ふぅん。そんなやつらがなんでまた江戸になんてくるんだろうねぃ」
「なんでも、天人によって急激に発展した江戸に興味があるそうだ。主に妖華帝国の総帥が」
「酔狂な理由だな、そんな理由で振り回されるこっちの身にもなれってんだ」
「まあまあ、そう言うなトシ。これも真選組の大事な任務だからな、まあうまくやりゃあ問題ねえだろう」
「そうでずぜぃ土方さァん。大事な任務にそんな態度なんて、真面目な俺にァ理解できねェや。まあせいぜいその小さなおつむで配置考えるこったィ」
「誰が真面目だァ!?不真面目の塊が!!つーか小さなおつむってなんだァ表出やがれ総悟ォォォ!!!その性根叩き直してやらァそこになおりやがれェッッ!!!」
刀を抜き沖田に切りかかる土方、そんな土方を煽りながら逃げ回る沖田、あぶねぇやめろ!!と二人を必死に宥める近藤。
真選組の日常といえば日常だ。
さて、三人が何をしていたのかというと、先ほどの会話にあった要人の資料に目を通していたのだ。
普段は大抵組の方で調べるのだが、今回の相手はあまりにも情報が少なすぎる。そしたら、お上に届いた資料が真選組にも回ってきたのだ。
さて、ここで軽く先程言及のあった星と国に触れておこう。
羅針盤星。
地球から遥か遠くの銀河系に突如現れた新しい惑星。
とある国の調査機関が偶然発見したのだが、まず驚いたのはその形だった。
惑星といえば、大体の人が丸い形を想像すると思う。いや、そんなことはないかもしれないが、とりあえず丸を想像しとけや。な?丸だろ?な?そうじゃねえと話が進まねえんだ。
まあとにかく、その惑星はだいぶ変わった形と模様をしていたのだ。
まず形は、綺麗な正方形で、くるくると回っているそうだ。そして、星はオレンジ色の幾何学的な模様が描かれているらしい。つまり外観からは星の生態系や環境は一切わからない、得体の知れない星である。
そんな星の中にある国から、唐突な訪問要請。それ自体はこの江戸では珍しいことではないが、前情報がほとんど無い星からの訪問要請はなかなか無いことのため、少々上がざわついている。
だがそんなことは向こうもわかっていたのか、国の代表自ら情報を送って来たのだ。彼らの手元にあるのは、それを上がまとめたものである。
「妖華帝国総帥桜華忠臣に、ヴァルムグラフ総指揮官グスタフ・ハイドリヒ。随分仰々しい肩書だな」
「二人ともかなり腕が立つらしいぞ。桜華総帥は剣の腕も確かだそうだ。グスタフ殿の方はいまいち分からんが……」
「毒兵器を使うみたいなこと書いてありやすが、なんなんですかねィ………?マトモじゃなさそうな匂いがぷんぷんしやがる」
「ああ………周りの被害とかに配慮したようなシロモノなわけがないだろうしな」
「俺らには想像もつかんような、物凄い軍事技術とかなんじゃねえか?なんにせよ、あちらから情報が来たとはいえ分からんことばかりだ。何を企んでいるかわかったもんじゃねぇ。気を引き締めてくぞ」
「ああ」
「了解でさァ」
「よし!ならば早速とりかかってくれ。トシは警備の人員の配置と計画を、総悟はこの情報を各隊長に周知し、警戒しておくように伝えておいてくれ。頼んだぞ!」
聞くやいなや、二人はさっと立ち上がり土方は任せろと言いながら部屋を出て行き、総悟は少々ダルそうにしながらも近藤さんが言うなら仕方ねえと片手をひらりと振りながら去っていった。
近藤はそんな頼もしい二人の背中を見送った後、愛しの彼女を警備するために颯爽と出かけていくのだった。
数日後。
真選組一同と、彼等の直属に上司にあたる警察庁長官松平片栗虎が要人専用のターミナル港に集まっていた。
言わずもがな、妖華帝国とヴァルムグラフから来る客人を迎えるためである。
あたりには土方が指示を飛ばしパトカーと隊士を配置し、さらには交通規制もかけた厳戒態勢だ。いつもよりもかなり厳重な警備である。相手方が何を考えているのか全く想像がつかないのだ、ここに降り立った途端に攻撃をしてくる可能性も無くはない。
街に被害が出る前にここで食い止めることも想定した結果である。
「近藤さん、配備完了だ。これでネズミ一匹通らねえはずだが……」
「ありがとう、流石は我ら真選組の頭脳だな」
「ここまでやっときゃ、街には被害が及ばねえとは思うが…妖華帝国の連中は、なにやら面妖な術を使うみてぇだからな。ヴァルムグラフの方は、どんな技術を使うか見当もつかねえ。万が一に備えておくに越したことはねえな」
「ああ、そういやそうだったな……なんか、天人とは違う妖の類みたいなこと書いてあったな、あれに」
「鬼が出るか蛇が出るか、楽しみですねィ」
「おォ~い。無駄話はそこまでだ野郎どもォ。お出ましの時間だぞォ」
松平の一声とともに、皆はずらりと隊列を組んだ。
港にゆっくりと宇宙船が進入してきた。その船の異様な姿に、ざわめきが走る。
「なんだありゃ…生きモンか?」
「へーえ……こりゃすげえや」
その船は、巨大な目玉と腕が生えた気球のような姿をしており、その腕がおそらく船体であろう部分を抱えている。巨大な目玉はその腕にもついており、それぞれぎょろぎょろと別々に動いており非常に気味が悪い。一番大きい目玉がついている気球の部分にはにんまりと笑う大きな口までついている。
天人入り乱れるこの江戸でも見たことがない、異形な船の様相に眉をひそめる土方とは対照的に、沖田は軽く口笛を鳴らす。
その船がゆっくりと停船し、腕を降ろす。その降ろされた船の扉が開き、中から人が下りてきた。
「ほう、これは大層な出迎えだな。なあ、グスタフよ」
「ふん……俺はどうでもいい」
緑の軍服を身にまとった横柄な男と、ガスマスクをつけタンクを背負った金髪の大男。
一目でわかるただものではない雰囲気に、一同に緊張が走る。雰囲気でわかる、二人ともかなりの使い手だろう。
「総帥、いくら初めての訪問だからって羽目を外しすぎないでくださいね。これも公務なのですから」
「まあまあ、少しくらいはいいじゃあないですか月夜叉殿」
「うわあ……これがターミナルってやつなんだ。地球の技術ってすげえなあ」
「クーゲル、あんまりはしゃがないで。私たちの役目は指揮官のメンテナンスとサポートよ。気を引き締めなさい」
ぞろぞろと降りてきた彼等はおそらく部下だろうか。そこまで人数は多くなさそうである。
備え付けられた階段をコツコツと降りてくる軍服の男の手足には、よく見ると目玉がついている。先程の船に着いていた目玉と同じように、ぎょろりとあたりを見回すように動いており、なんとも不気味だ。人間の形はしているが、妖のたぐいだと書いてあったあの資料の内容が本当なんだと否応にも思い知らされる。
その隣を歩く金髪の男は、遠目にも近藤より大きな体躯をしていることが分かる。顔は背中のタンクから繋がっているガスマスクに覆われ表情は読み取れないが、そのガスマスクに覆われていない眼光は非常に鋭く冷たい。只者ではない雰囲気に、だれかがゴクリと喉を鳴らした。
ずらりと並ぶ真選組の前に彼らも並んだ途端、土方が号令をかけた。
「敬礼!!」
鋭い声とともに、皆が最敬礼の形をとる。
その統制された動きに、軍服の男の部下であろう老連な男はほう!と嬉しそうに声を上げた。
「遠路はるばる、この江戸までお越しいただきありがとうございます。我らはこの江戸の守護を任されております幕府特別武装警察の真選組と申します。私は局長の近藤勲、こちらは警察庁長官松平片栗虎殿でございます。私の後ろに控えておりますは、副局長の土方十四郎、一番隊隊長の沖田総悟、そして選りすぐりの隊士たちになります。この度、貴方方を警備する任を幕府から仰せ仕りました。短い間ではありますが、何卒宜しくお願い致します!」
「「「「「宜しくお願い致します!!!!!」」」」」
普段の近藤からは想像もつかないほどの威厳と丁寧さ、仕事となればキッチリとこなすのが近藤勲という男である。仕事を抜け出してのストーカーには本当に困りものだが。
一斉に頭を下げる隊士たちに、緑の軍服の男はよいよい、面を上げよと仰々しく声をかける。
「丁寧な挨拶、痛み入る。そんなものを見せられては、こちらも返さぬのは無作法というものだな。なあ、グスタフ」
「なんで俺に振るんだよ……まあ、確かに悪くはなかったがな」
「はっはっは、お前はこんな辺境の星でも変わらぬなぁ。さて、長々と失礼した……我は妖華帝国が総帥、桜華忠臣だ。我の姿をその目で見、我の名を知れたことを一生誇りに思うがいい!」
「貴方が桜華総帥でございますか!いやあ、男前で!では、そちらの方がグスタフ・ハイドリヒ殿でございますかな?」
「ふん…そうだ、妖華帝国の同盟国、ヴァルムグラフの指揮官、グスタフ・ハイドリヒだ。俺は慣れあう気はないからな、必要以上に話しかけてくるなよ。この世を忠臣とともに絶望に染め上げること以外興味はない。無論、貴様らとも必要以上に親睦とやらを深めるつもりもないからな」
「ハイドリヒ殿はなかなかの堅物のようですなぁ、これは仲良くなるのに骨が折れそうだ。さて、ここで長話なんでしょう。あなた方が泊まるお宿にご案内いたします。おたがいの詳しい自己紹介はそちらで致しましょう。土方副長、皆様方を車へご案内するんだ。頼んだぞ」
「ああ、了解した。皆は各々パトカーに乗るように、総悟は俺と一緒に案内を……では、先ほどご紹介に預かりました、真選組副局長の土方十四郎でございます。僭越ながら、こちらの沖田と共に案内を務めさせていただきます。皆様方、どうぞこちらへ」
普段の粗暴な様子はどこへやら、美丈夫っぷりを遺憾なく発揮し、副長として恭しい挨拶する土方に沖田は何気取ってやがんでィと内心舌打ちしつつも、土方と同じように名乗り頭を下げる。
ではこちらへと土方が先頭切って歩き出した。沖田は万が一のこともあるため、しんがりからついていく。
普段あまり聞きなれない、桜華総帥が履いている軍靴の音が高らかに響く。本人はターミナル内を見渡しながらなにやら考えている様子が見て取れた。ハイドリヒ指揮官の方は、相変わらず表情が読み取れない。見上げるほどの大男だが、先程よりは威圧感が和らいだような、気がする。
エスカレーターを降りながら、土方はこの後の段取りを頭の中で整理していた。真選組の頭脳である彼の脳には、彼らが滞在している間の警備計画がすべて刻まれているのだ。
(この後は宿に案内し、宿内部も軽く案内をするんだったな。そこで俺たちも警備のためのポイントを改めて確認しなければ。その後は城に向かって、こいつらの公務が終わるまで待機。公務が終わった後は彼らが外遊に出るというから、警備をしなきゃならねぇ。外を出歩くというならば、そこまでの人員を割くことはできねぇ……そもそもこいつらの部下もいるからな、ぞろぞろ連れ立って歩いてたら目立ちすぎてしまう。俺と総悟…あとは終で警備に回るか……?っと、下までついたみてぇだな、これ以上は後だ……。)
思案にふけっていた頭を即座に切り替え、エスカレーターから降り出口で待機していた高級車へと皆を案内していく。随分と豪華な車だな、無駄金使いやがって……と内心お上へ毒づきながらも、それをおくびにも出さずどうぞこちらにお乗りくださいと車のドアを開けた。
ふむ、苦しゅうないと満足そうにうなずきながら、桜華総帥は車に乗り込む。その後に続くように彼らの部下も乗り込んだ。
後ろでは、同じように沖田がヴァルムグラフの者たちを車へと乗せている。
そしてそれぞれの車に土方と沖田も乗り込んだ。勿論、護衛のためである。彼らに何かが万が一あったとき、真っ先に盾になれるように。
助手席に乗り込んだ土方は、バックミラーで三人の様子を確認しつつ、隊服の内ポケットから手帳を取り出す。どこの宿へ向かうのか、念押しの確認をしてから運転手に出してくれと告げた。
「……ふう、さて、皆様。これから、宿に向かいます。宿はこちらでご用意させて頂きました。宿の名前は『さぎり』。江戸の滞在期間中はこちらの宿でお過ごし頂くことになっております。その期間中、私達真選組があなた方の護衛に当たりますので、ご安心してお過ごしください。細かい説明は、現地に着いたら改めてさせてていただくことになっております」
「ふむ、説明ご苦労」
軽い説明を済ませ、桜華総帥の尊大な礼を聞いてから前に向き直った。いちいち偉そうだなこいつ、と内心腹立たしく思いながらもそれを表情に出すことは決してない。
正直、警察である真選組が護衛だけでなく宿の説明やら観光ガイドのような真似をしなければならないのだとも思う。だが、下手に外部から人を雇うわけにもいかないという上の事情もあるから、やらないわけにもいかないのだ。
実際、他の天人の要人や外国からの来賓に対しても同じように案内し、観光の案内もするのだ。そもそも、上からの外部の人間を雇うわけにもいかないというのも、どうせ建前だろうと土方は踏んでいる。大方、人を雇う予算を割きたくないとか、何か面倒なことや事件があったときに真選組に全てを押し付けれるようにしたいだとか、そんなところだろう。
知らず、微かに眉をしかめた土方は、いつもの癖で煙草を吸おうとしたが護衛中だからダメだと思い出し、舌打ちしそうになるのを堪え窓の外へ目を向ける。宿まではしばらくかかる、滅多に乗れない高級車のシートを堪能するかと、ずっと伸ばしっぱなしだった背中を背もたれに預けた。
あれから、時折妖華帝国の参謀である月夜叉と言う女性と、桜華の軍勢をまとめる将軍のゲネラールと言う男性と時折言葉を交わしながら宿へと向かった。桜華総帥はその会話の様子をなにやら楽しそうに眺めていたが、会話に加わることはなかった。
そして、やっと宿へと到着した車からさっと降りた土方はドアマンよろしく桜華たちが乗っている後部座席のドアを開ける。
数分遅れて到着した二代目の車も、沖田が同じように車のドアを開けている。正直、何かしらやらかしていないかと不安だったがあの様子だと心配なさそうだ。
「到着いたしました、どうぞ。お足もとにお気をつけて」
「ありがとうございます」
「いやあ、長旅でしたなあ」
「貴様には少々堪えたか、じっとしていることが不得手だものな」
「それは総帥もおなじでございましょう?」
違いない、とニッと笑う男が軍靴を鳴らしながら車を降りる。三人が下りたことを確認してから静かにドアを閉めた。
この後は宿の軽い案内、そして部屋への案内がある。今日の彼等への業務はそこで終わりだ。その後は、警備のための隊士を配置し、土方自身も警備にあたることになる。
この堅苦しい喋り方ももうしばらくの辛抱だと、土方は気合を入れなおす。
「皆様、宇宙からここまでの長旅、真にお疲れさまでした。では、宿内へご案内いたします」
軽く一礼し、沖田に軽く目配せしてから先導して歩き出した。
「うわ、うわー……すっげぇ…!!こんな宿、来たことないっすよ俺……!!」
「確かに、見事ね…こんな建物は私たちの国には無いし……」
「ふむ…我が国の宿に比べても遜色がないな。なかなか良い旅になりそうだ」
「総帥…遊びに来たわけでは無いのですからね、羽目を外さないようになさってください」
「月夜叉、少々口うるさいぞ。貴様こそ江戸のふぁっしょんやら菓子やらが楽しみだとケルパーズに話しておったではないか」
「うっ………そ、それは、そうですが…………」
方眉をあげ月夜叉を軽く窘める桜華総帥からは先程の威厳と傲岸不遜さが少し和らいでいる。おそらくあの三人は付き合いが長いのだろう。ヴァルムグラフの部下は宿内をきょろきょろと見回しこそこそと話しているが、ハイドリヒ指揮官は黙ったまま歩みを進めている。眼光は相変わらず鋭く、顔の大半を覆うガスマスクのせいで
コメント